5,000万以上する建売なんてあるのか!?って思われる方もいらっしゃると思いますが、割と多く存在します。特に東京都内では5,000万円以下の建売の方が少ないくらいです。
5,000万円超の建売住宅を購入する場合、1つだけ注意しなければならない点があります。
それは売買契約書に貼付する印紙税です。
契約金額 本則税率 軽減税率 10万円を超え 50万円以下のもの 400円 200円 50万円を超え 100万円以下のもの 1千円 500円 100万円を超え 500万円以下のもの 2千円 1千円 500万円を超え1千万円以下のもの 1万円 5千円 1千万円を超え5千万円以下のもの 2万円 1万円 5千万円を超え 1億円以下のもの 6万円 3万円 1億円を超え 5億円以下のもの 10万円 6万円 5億円を超え 10億円以下のもの 20万円 16万円 10億円を超え 50億円以下のもの 40万円 32万円 50億円を超えるもの 60万円 48万円 出典:国税庁
5,000万円超になると、印紙税は1万円の負担から3万円と3倍になりますが、販売価格が5,000万円以上であっても印紙税が1万円で済む場合があるので要注意です。
今回は販売価格5,000万円超の物件でも印紙税が1万円で済む場合についてご紹介させていただきます。
残念ながら、気が付かない・忘れている不動産屋も残念ながら一定数いる為、本当は1万で済んだ印紙税が3万円も納税する可能性だってあります。
今回ご紹介させていただく内容で、いろいろな手数料のぼったくりを防げるようになります。
Contents
印紙税が課税する売買価格はすべて税抜き価格!
印紙税の対象になる売買価格は、税込み価格の総額だと思われがちですが、実は税抜き価格の総額が印紙税を決める課税金額(対象)になります。
以下引用。
建築工事などの請負契約書や、商品などの販売代金を受け取ったときに作成する売上代金の受取書などは、その文書の記載金額に応じて印紙税が課税されます。
この「記載金額」は、消費税及び地方消費税の額(以下「消費税額等」といいます。)を含んだ金額とされますが、次の文書については、消費税額等を区分して記載している場合、又は、税込価格及び税抜価格が記載されていることにより、その取引に当たって課されるべき消費税額等が明らかである場合には、記載金額に消費税額等を含めないこととしています。(1) 第1号文書(不動産の譲渡等に関する契約書)
(2) 第2号文書(請負に関する契約書)
(3) 第17号文書(金銭又は有価証券の受取書)出典:国税庁
つまり消費税込みで5,000万円以上超えていても、消費税を引けば5,000万円以下になる取引の場合は、印紙税が3万円ではなく1万円でOKということになります。
不動産取引において、消費税がかかるのは建物だけです。
土地には消費税は一切含まれておりません。
仮に建物価格2,160万円(税込・本体価格2,000万)+土地価格3,000万円の計5,160万円の売買契約書を結んだ場合、通常であれば、5160万円は5,000万円を超えているので印紙税は3万円になりますが、上記の国税庁の特例により、消費税額の160万円を引いた額5,000万円が課税対象金額になります。
5,000万円以下は印紙税が1万円で済みますから、この場合で売買契約書に貼る印紙は1万円の収入印紙でOK。
総額では5,000万円超でも、消費税を引くことで、印紙税で2万円も安くなるのです。
もし不動産屋がこの国税庁の特例を知らずして、総額が5,000万円を超えるからと言って3万円印紙税を請求してきたらどうなるでしょうか?
恐らく一般個人の方は、この特例の事を知ることは難しいですから、知らない間に2万円を損して、3万円の収入印紙を貼ることになるでしょう。
この記事をご覧いただいた方は気をつけてください。
契約書の消費税は正確に書かないとダメ!8%では消費税額も加算されてしまう。
不動産売買契約書に消費税を書いて置けば、課税対象金額が減り、印紙税も安く済みますが、消費税の明記の仕方によってはこの特例が無効になる場合があります。
しかし、消費税額等について「うち消費税額等80万円」ではなく、「消費税額等8%を含む。」や「請負金額1,080万円(税込)」と記載した場合には、消費税額等が必ずしも明らかであるとは言えませんので、記載金額は1,080万円と取り扱われ、第2号文書の場合、印紙税額は2万円となります。
出典:国税庁
不動産屋の契約書でも8%の消費税を含むというのは、結構あります。
正確な数字を記載するのが面倒な場合や、建物価格がわからない場合、8%含むで済ませてしまうケースも少なくないのです。
もし上記の5,160万円(消費税160万円含む)の取引が、売買価格5,160万円(消費税8%)含むって書かれてしまった場合、8%引いても5,000万円以上の可能性があることから、上記の特例が使用できず、結果、売買価格に貼付する収入印紙が3万になってしまうのです。
8%含むで記載されて困るのは、売主・仲介会社でなく、購入する買主が問題。
建物価格さえわかれば、割り戻しの計算で消費税がわかりますので、契約書を見るときは消費税額がちゃんと記載されているかを確認しておくのがベストでしょう。
売買契約書の原本は1通だけ?不動産屋が契約書のコピーを保有する理由
仲介手数料を税込み価格で請求されると5万以上損する話。
消費税込みで計算されてしまって困るのは印紙税だけではありません。
仲介会社にお支払いする手数料についても、売買契約書に消費税がかかれていないと余分に多く払ってしまうことになるので要注意。
5,160万(消費税160万)を5160万の3%+6万×税で計算されてしまうと、173.664万円になるのに対して、ちゃんと消費税を引いた総額5,000万円で同様の計算を行うと、168.48万円となり、約5万以上仲介会社に多く手数料を支払うことになってしまいます。
宅建業法でも以下のように記されております。
長文になるので、赤文字だけ見てもらえれば結構です。
第二 売買又は交換の媒介に関する報酬の額
宅地建物取引業者(課税事業者(消費税法第5条第1項の規定により消費税を納める義務がある事業者をいい、同法第9条第1項本文の規定により消費税を納める義務が免除される事業者を除く。) である場合に限る。 第三から第五まで及び第七①において同じ。) が宅地又は建物(建物の一部を含む。以下同じ。) の売買又は交換の媒介に関して依頼者から受けることのできる報酬の額(当該媒介に係る消費税等相当額を含む。)は、 依頼者の一方につき、それぞれ、当該売買に係る代金の額(当該売買に係る消費税等相当額を含まないものとする。) 又は当該交換に係る宅地若しくは建物の価額(当該交換に係る消費税等相当額を含まないものとし、当該交換に係る宅地又は建物の価額に差があるときは、 これらの価額のうちいずれか多い価額とする。)を次の表の上欄に掲げる金額に区分してそれぞれの金額に同表の下欄に掲げる割合を乗じて得た金額を合計した金額 以内とする。
過去に私が仲介さんに自社物件を売却していただいた際に、税込み価格の売買価格で手数料を求めてきた業者が3社ほどありました。
私は不動産屋なので、一瞬で気が付いて訂正してもらいましたが、一般消費者の方はいきなり出された仲介手数料の約定支払書や一般媒介契約書を見ても、仲介手数料が規定より多く請求されていることを知らずにしてサインしてしまう可能性が高いです。
売買価格が5,000万円を超えると、数字が少し変わるだけで、手数料の金額がかなり変わってきますから、支払関係の書類は一度電卓で確認されることをおすすめします。
売主経由の建売は購入可能?売主物件の探し方とメリット・デメリット6選
まとめ
ココがポイント
☑印紙税が高くなるのは5,000万円超から(1万→3万)。5,000万円超でも消費税を弾いて5,000万円以下になるなら、総額が5,000万円以上でも印紙代が1万円と2万円節約できる。(消費税は含めない)
☑不動産売買契約書の印紙代は課税対象金額は消費税を含めない特例があるが、正確に書かなければ特例が一切使えなくなる。8%などで書いてしまうのはNG
☑仲介手数料も印紙税と同様に、売買価格の総額に消費税は含めない。5,000万円以上の物件で消費税込みで手数料を計算されると、5万円以上手数料を多く支払わないといけなくなるので要注意。
5,000万円以上の建売を購入する場合は、消費税によって支払う税金や手数料が変わってくるので、注意深く見る必要があります。
支払う総額がただえさえ多いので、税金などの諸経費は安く済ませておきたいものです。
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