ここ数年毎年どこかしらで震度7以上の地震が来るのが当たり前になってきている状況の中で、家のデザインよりも耐震性第1で家を買いたいと思っている人が増えているし、私も建築基準法ギリギリのデザイナーズ住宅よりも、耐震性に特化した家が増えてほしいなと思ってこの記事を書きました。
結論から言うと、耐震性に特化した住宅はツーバイフォー工法をベースとした家です。(モノコック・2×6工法)など
ツーバイフォーは在来工法よりも構造上1.25倍は最低でも強いといわれている北米から輸入された完成されている工法です。
そして耐震性にすぐれたその実力は、大震災の被害データから読み取ることができます。
しかしこのツーバイフォー工法は地震に強いツーバイフォーが日本で流行らないデメリット5選と理由で紹介している通り、日本全体でわずか10%ほどのシェア率しかありません。
何でやん。
しかも今回の震度7を超える北海道地震でツーバイフォーの実力が明らかになりました。
今回は、耐震性に優れた家が欲しいと思っている人向けに、大震災後のツーバイフォーの実力をご紹介させていただきます。
Contents
大地震が来ても97%は損傷無し!ツーバイフォーの実力
ここ20年の間で起きた阪神淡路大震災・東日本大震災・熊本地震でツーバイフォーが全壊した件数はどれくらいかご存知でしょうか?
この3つの震災を合わせてもたった7件しか全壊しておりません。
在来工法は阪神淡路大だけでも68,000件以上は倒壊してます。
一つ一つデータで見ていきましょう。
阪神淡路大震災では約68,000件倒壊したのに、ツーバイフォーでは0件
1)調査集計総括表
被害発生理由 隣家のもたれ
かかりにより地盤の移動
液状化により内部の床の
ねじれ・不陸その他 合 計 全壊の住家
0棟
0棟
0棟
0棟
0棟
半壊の住家
0棟
2棟
0棟
0棟
2棟
類焼の住家
-
-
-
8棟
8棟
一部損壊の
住家21棟
156棟
1棟
101棟
279棟
多少被害が
生じた住家35棟
182棟
17棟
2,215棟
2,449棟
特に被害無しの
住家-
-
-
-
6,210棟
合 計
56棟
340棟
18棟
2,324棟
8,948棟
注)半壊の2棟は、いずれも地盤の移動や液状化により、 ある程度建物が傾斜したため「半壊」と判断されたもの。
神戸市によると、阪神淡路大震災で全壊67,421棟、半壊55,145棟(H7.12.22現在)も家に甚大な被害があったのに対して、ツーバイフォー全壊したのが0件、半壊したといっても液状化の影響で半壊したのが2件で、地震関して甚大な被害があった住宅は延焼してしまった8件しかありません。
なぜ在来工法でここまで倒壊してしまったかというと、1981年以前の旧耐震法のルールに基づいて建てられた住宅は震度5までしか耐えられない住宅といわれておりました。
その後新耐震になってから震度6迄となりましたが、それでも震度7あった本地震の前では耐えられずにどんどん倒壊してしまったのです。
ツーバイフォーは2018年現在の通常の在来工法の1.25倍ほど強いといわれておりますので、この当時の在来工法と、ツーバイフォーの耐震性の差は約倍近く違っていたわけです。
東日本大震災
被害程度 津波を除く被害 津波被害 合 計 強震変形 地盤崩壊 液状化 類焼他 全 壊
7 0 6 0 1 105 半 壊
69 2 33 34 0 128 一部損壊
413 319 61 16 17 410 計
489 321 100 50 18 - 多少の被害有及び無
19,633 7 小 計 20,122 650 合 計
20,772
出典:http://www.2x4assoc.or.jp/builder/act/chosa/chosa_higashinihon20110901.html
東日本大震災で倒壊した件数は、総務省調べだと129,391件に上ります(マンション棟も含む)ですが、ツーバイフォーはたったの7件です。
津波被害を入れても100件弱なので、約13万という数字と比べると、いかにツーバイフォーが災害に強い家なのかっていうのがわかります。
在来工法は設計の自由が高く、間取りの実現性もあり、耐震性も昔よりもはるかに強くはなってきたものの、震災級のレベルの話になるとまだまだツーバイフォーにはかなわない気がしてます。
新たなタイプの熊本地震。1回震度7に耐えても倒壊してしまう現実
しかし、マンションや在来工法をはじめとする新耐震でも8,651件もの家が全壊している現実があるのです。
ここでもツーバイフォーの強さがうかがえます。
新耐震では震度7まで耐えられる建築物なので、一回目の震度7の揺れには耐えることが出来ました。
が!
熊本地震は1回目は震度6、2回震度7、3回目震度7という複数回同じ場所に震度7以上の地震が来る新しいタイプといわれております。
その結果、1度は耐えた新耐震の建物も倒壊してしまったのです。
更に厄介なことに、震度7以上の地震に2回耐えたとしても、隣の家が倒壊し、その重みで倒壊してしまうドミノ倒しのように倒壊してしまったので、自分の家が耐震性に強いということは、周りの家を守ることにもつながるってことが熊本地震を通してわかってきたことだといえるでしょう。
一度ではなく複数回耐えられる家を求める必要がありそうです。
ツーバイフォーはメンテナンス・補修がしやすい構造なのも強み
ツーバイフォーは数百年前に完成された工法であり、どんな職人さんが家を建てても一定の品質が保てるように材木から釘まですべてマニュアル化されている工法です。
その為、補修しやすい上、補修が対応可能な職人さんも多いのです。
一方在来工法は常に進化し続け、10年前に利用していた建築方法では通用しないってもあります。
そうしたとき補修できる職人が限られるってことは家の修理が遅れることにもつながりかねません。
現にツーバイフォーでは100年以上家が建っている住宅がありますが、その原因はツーバイフォーが補修しやすいというところに集約されております。
結論:ツーバイフォーの圧倒的シェアNO1の北海道では、大震災級の地震が来ても全壊数が圧倒的に少ないというたった1つの理由。
今回起きた北海道地震を調べたところ、2018年9月14日現時点では32件全壊していることがわかっております。
北海道では気候・土地の利用方法がツーバイフォーが生まれた北米に似ていることから、県別でツーバイフォーのシェア率がダントツでNO1といわれております。(日本ツーバイフォー建築協会調べ)
その為、熊本地震などでは約9,000件倒壊している中で、全壊件数が32件まで減っているというのはツーバイフォーが浸透しているからだといえるのではないのでしょうか?
そして地震による全壊数が少ない理由は、隣の家が倒壊しドミノ倒しのように次々に倒壊していった熊本地震ですが、北海道地震の多くは熊本地震でも倒壊0件のツーバイフォー住宅ですから、家が倒壊することによるドミノ倒しになることがなかったのではと、私はそう推察しました。
もし耐震性重視で探しているのであれば、ツーバイフォーがオススメですよ。そして地震で倒壊しなければ、周りの家にも被害を出さずに済みます。
ツーバイフォーがもっと大量生産され、安く建てられるようになればいいんだが・・
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