土地購入のポイント

個人が農地購入で宅地転用は可能?元建売屋が実務で失敗した農地売買の注意点を具体的に解説

投稿日:2019年1月14日 更新日:

個人で注文住宅を建てるために、土地を探していると良い土地があっても「農地法の許可が必要」と書いてある土地を見つけたことがあると思いますがいかがでしょうか?

都心部にも農地法の許可が必要な土地というのは結構ありますし、農地に建売を建てる事も結構あります。

 

しかし、日当たりが良い農地が安く売られていると言って、農地を安易に購入するのは危険です。(安くて魅力的はありますが・・)

特に不動産屋を仲介に入れない個人間売買は必ずトラブルが起きますし、不動産屋を入れた取引でも残念ながらトラブルが多い土地でもあります。

また親戚などから農地を譲られた・・・っていう場合も要注意!

農地購入には、通常の取引に加えてある許可が必要になります。

では個人の人が農地購入して宅地に転用して家は建てられないのか?という質問の回答はNO!

今回は、一般消費者が農地を宅地に転用して家を建てる際の注意点を、実際に業務で失敗した私が、農地取引の注意点とポイントについて解説させていただきます。

 

農地の売買が難しい農地法!個人で農地を購入するときに必要な手続きとは

 

農地を所有している農家さんが、農地を転用して建物を建てたり、農地を他人に売却してしまうと、農作物の量に影響が出てきてしまいます。

農地が減る=日本の農作物が減ると言うことに直結するので、農地を売却・宅地に転用するためには農地法の許可が必要になります。

農地法の必要な土地の特徴を具体的に言うと、実際に畑や遊牧などに使われている土地・登記簿上で田・畑となっているのも農地法の対象地です。

農地法の種類は3種類です。

農地法の許可の種類

☑農地法3条:農地を他人に売却し、売却後の所有者が農地として使用する場合(所有者の能力差によって農作物の量が変わるため)

☑農地法4条:自分の農地を宅地転用して、家を建てたりする場合

☑農地法5条:自分の農地を他人に売却して、売却後の所有権が農地を宅地等に転用する場合

赤字で書かせていただきましたが、農地を購入して住宅を建築する場合、農地法の5条の許可が必要になります。

農地法5条許可が下りていないにもかかわらず、購入してしまうと次のようなことが起き、必ずトラブル・下手すると損害賠償問題になります。

 

農地法5条の届出を無視して決済するとどうなる?

農地法5条の届出を無視して決済するとどうなる?

☑所有権移転登記できない

☑原状回復をするように命じられる上、罰金もあり得る。

1つずつ解説してきます。

 

所有権移転登記できない

農地法5条の許可・届出を行わないと、法務局にて所有権移転登記することができません。

つまり土地代を支払っているのも関わらず登記名義人は売主のままです。

法務局で登記をする際に、市役所などの関係者からの農地法の許可証が必要になります。

 

農地法の許可証は、売主・買主の記名押印の上、残金決済に都道府県知事に農地法5条の申請しなければ間に合わないことが殆ど。

私が失敗したのは、まさにこの部分でして、農地法の5条の届出が遅れたって事にあります。(無理を言ってギリギリ決済できましたが、)

農地法5条の許可証が無いと司法書士に登記できないと言われ、引き渡しができなくなります。

契約書で約定決済日を決めていた場合、農地法の許可が下りなくて約定日を過ぎてしまった・・・違約ですね。

結果トラブルになります。

マジでこのときは会社クビを覚悟しました。

 

原状回復をするように命じられる上、罰金もあり得る。

 

仮に登記ができなくても、そのまま農地を転用して役所等にバレたらどうなるか?

結論から言うと、罰金と農地への原状回復です。

建物を建築していた場合は取り壊して農地にしなければなりません。

勿論所有者負担です。

農林水産省の条文を引用します。

許可を受ける必要があるにもかかわらず許可を受けずに転用した場合や、都道府県知事又は指定市町村の長の原状回復命令に違反した場合には、個人は3年以下の懲役又は300万円以下の罰金、法人は1億円の罰金という罰則の適用もあります(農地法第64条、67条)

出典:農林水産省

罰金+原状回復費用を考えると、5条の申請許可をもらわずに決済をするのは危険すぎます。

不動産会社を介さず、個人間で農地を売買するときに、この点を知らずして無視すると大変ですから、農地売買は不動産会社を入れて取引すべき。

 

個人が農地を購入する前に確認すべき2つのポイント

ココがポイント

☑購入する農地は市街化区域か?それとも市街化調整区域?

☑農地法申請に掛かる時間・許可書の取得時間(役所によって異なる)

購入する農地は市街化区域か?それとも市街化調整区域?

 

購入する農地が市街化区域(10年以内に市街地を作る区域)であることを確認してください。

もし購入する農地が市街化区域であれば、農地法の手続きが非常に簡単になります。

通常であれば、都道府県知事に農地法の5条許可の申請を行う必要がありますが、市街化区域内の農地であれば、市役所などの農業委員会に届出をするだけで許可が下りるのです。

 

つまり手続きが簡単。

市街化区域は、街を作るエリアであり、農業を一生懸命やろうってエリアではありません。

家を建てる為に農地を宅地に転用するというのは市街化区域において、理に伴っている行動なので、農地を宅地にすると言う届出さえ出しておけばOKなのです。

勿論この届出を忘れると、市街地だからと言って登記することはできませんので、農地購入前に農地法の届出について明記されているのかを確認するのがベスト。

市街化調整区域って何って方は、市街化調整区域は掘り出し物件?土地無し客に元不動産屋が伝えたい4つのメリットを合せてご覧ください。

 

農地法申請に掛かる時間・許可書の取得時間(役所によって異なる)

 

引き渡し前までに農業委員会(役所)からの許可証が必要になりますが、お役所仕事がら、時間が結構掛かるんですよ。(さっさとやれば良いのにって思うのですが)

農地法の申請をしたからと言って、決済ができるわけではありません。手元に許可証が必要であり、登記を代行する司法書士に渡さなければいけません。

決済までに許可証が貰えるかのスケジュール確認も、個人間で農地を購入・親戚から農地を譲渡されたなどの場合は、チェックしておくべき重要なポイントです。

不動産屋が間にいるのであれば、やらなくてもOK。プロがやります。(経験が無い人は失敗する可能性が高い)

 

まとめ

ココがポイント

☑農地を購入して家を建てるのであれば、農地法5条の許可・届出が必要になる。

☑農地法を届出しないで引き渡しを受けた場合は、所有権移転登記ができない。また許可が無いのに宅地転用を行ってしまうと原状回復・最悪は罰金刑がある。

☑農地を購入するポイントは「市街化区域内の農地か?」「役所が許可証を発行するスケジュール」の2点!特に市街化区域であれば、都道府県知事の許可は必要なく、役所に届けでだけで済み手続きが簡単になるので、契約前には確認しておくべき。

農地を契約する際の契約書の内容に、農地法許可が取れなかったときの白紙解約ができる旨があるのも重要。

農地法の許可は出なかったけど、契約通りにお金を払ってねってだけは気をつけたいですね。

経験が少ない不動産屋に任せるのは結構危険なので、農地は基本的に避けた方が良いでしょう。

個人的には保留地は土地無し客にお勧め?穴場物件のメリット・デメリット8選とはの記事の保留地をお薦めします。

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