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建売住宅・注文住宅・間取りのポイント

これで建売住宅と注文住宅の違いがわからないとは言わせない!12の項目で徹底比較した結果

投稿日:2018年4月18日 更新日:

これから戸建てを購入しようとしている方は、資金計画と住まい探しの条件に合わせて、注文住宅と建売住宅のどちらかを選択することになります。

それぞれに良さがありますので、元建売住宅で働いていた私が建売住宅と注文住宅を12のポイントで比較していきます。

元不動産屋:秋 だい

建売住宅と注文住宅は同じ家でも契約形態・価格差などかなり違いがあります。

7000字以上とかなり長い記事になりますがお付き合いください。

 

建売住宅と注文住宅の12の比較ポイントを解説

項目建売住宅注文住宅
契約までの時間最短1日~3カ月6カ月~12カ月
契約後から決済最短2週間~3カ月 6カ月~12カ月
売買対象物土地+建物 建物のみ
建物の仕様変更変更不可 変更できる。
プラン変更の有無基本的には不可変更できる。
ライフラインの負担建売業者が負担買主負担
瑕疵担保責任保険の責任の範囲建物+土地建物のみ
住宅ローン土地+建物で1本土地にはつなぎ融資が必要。
1棟あたりのコスト大量発注により安い1棟ごとの発注により高い
品質・仕上げ職人によって当たり外れがある。厳しい社内基準があるので良い
総額:価格+諸経費の費用の違い注文住宅より500万ぐらい安い
建売+500万円程度かかる。

アフターサービスの充実度時間がかかる。対応の良さは売主次第直接対応なので早く対応できる。

 

1:問い合わせから契約期間について

 

問い合わせから契約するまでの期間を比較してみると、建売住宅は最短で1日となっておりますが、場所が気に入り、現金購入ができる、もしくはローンが組める年収があることがわかった段階で、その日に契約する事もあります。

また1日で契約しなかったとしても、完成している物件であれば、形がないものを契約するわけではないので、住宅ローンの借り審査する期間を踏まえてもせいぜい3カ月程度で契約になるでしょう。

 

一方注文住宅は、1日で契約することは無理です。

土地を持っている方が建て替えを行うとしても、最低3回はプランの打ち合わせを行うことから、どんなに早くても契約するまで3カ月程度はかかります。

 

これが土地を所有していないお客様であれば、土地を契約する時間を踏まえれば、問い合わせから1年以上も時間を有することはざらです。

2:契約から決済(引き渡し)までの時間

 

建売住宅の場合、契約時に完成し、お客様のローンに問題がなければ、契約日から引き渡し日まで2週間程度で引き渡しをすることができます。

仮に完成前の物件でも、建売住宅は3カ月程度で完成させる計画で動いている会社が多いので、どんなに遅くても契約から3~4カ月程度で引き渡しを受けることができるでしょう。

 

一方で注文住宅の場合は、最終プランのチェック・打ち合わせしたプランでの確認申請などに建売住宅にはない打ち合わせ・申請があります。

さらに設備仕様の打ち合わせ、追加工事の有無の話を行いながら工事を進めていくので、工事着工から6カ月程度で完成に時間がかかってしまいます。

 

場合によっては1年以上もかかる可能性だったあります。

 

3:売買対象物は建売住宅と注文住宅では違う。

 

建売住宅・注文住宅共に売買契約を結びますが、売買対象物が「土地付建物か建物のみ」かの違いになります。

建売住宅は土地に建物がついているセット商品になります。注文住宅は建物のみですね。

 

売買対象物の違いにより、ハウスメーカーにいる営業と建売住宅の営業は業界が実は全く異なります。

 

・ハウスメーカーの住宅営業マンは建築業界

・建売住宅業者の住宅営業マンは不動産業界☜秋月はこっち側の人間です。

 

この違いってご存知でした?

その証拠に建売住宅を購入するときは、重要事項説明書を宅建士から説明を受けることになりますが、注文住宅の場合は宅建業法に該当しないため、建物を建築する請負契約書のみの締結になります。

(重要事項説明書は説明しません。)

注文住宅と建売は契約方法が違う?ハウスメーカーの請負契約の注意点4選

 

4:建物の仕様変更について

 

建物の仕様変更についてですが、建売住宅で仕様変更することはほぼ無理です。

なぜなら建売住宅は建築費や資材費を抑えるために、事前に住宅設備や壁紙などを事前にメーカーと契約し、大量発注をしております。

その結果1棟あたりの建築コストが安くなり、安価な金額でそこそこの設備の建物を提供することができるのです。

*仕様変更がほぼ無理というのは、仕様変更による差額を払えば、場所によっては仕様変更ができる場合があるからです。

 

一方で注文住宅の場合は、建築途中の棟上げまであれば、設備仕様の変更は可能です。

住宅設備もあなたの好みに注文できるのが注文住宅のメリットになりますが、デメリットとして1棟1棟それぞれに発注をしなければならないの為、大量発注を行うことができず、同じ仕様を入れるのでも1棟への単価が高くなってしまいます。

 

建物の自由をとるか、建物価格が安いのをとるか?

あなたの資金計画と購入目的の条件次第になります。

建売を購入するのは恥ずかしい?予算が無い人が注文住宅を買う為の具体的な3つの戦略

 

5:プランの変更の有無について

 

プラン変更については、建売住宅の場合はある一定条件を満たさない限りは絶対に無理です。

なぜなら建売住宅を建築する前に、建売業者が決めたプランを第三者の建築機関に「建築確認済証」を取得してから販売活動を行います。

よって契約するときには建築確認をすでに取得しておりますので、契約前にここを変えてくれっていうのは基本的にできません。

 

一方で注文住宅の場合は、プランが変更ができるのがセールスポイントですから、契約前にプランの打ち合わせをおこなって、要望に合わせたプランの型ができた段階で契約を行います。

打ち合わせしたプランの型に多少の変更が生じたとしても、建築確認を取得していなければ、変更することが可能です。

要は第三者の機関に建物のプランの届出をする前に販売するのが注文住宅、建売住宅は建築確認の許可を得た後に販売するという販売時期の違いでもあります。

 

つまり建売業者によっては、仕様変更はできないものの、建築確認を取得する前に契約をすれば、プラン変更ができるのです。

これを「自由設計」と呼んでます。

自由設計はどこまで?デメリットを知らずに注文するなら建売を買うべきって話

 

6:ライフラインの費用負担の有無

 

ライフラインとは電気・上下水道・ガスのことを指し、建物を建てる土地にガス管・上下水道管に引き込みを行う費用、水道を使用する場合の水道負担金が必要になります。

建売住宅の場合は、これらのライフライン整備費は、すでに販売価格の中に含まれているため、建売業者の負担になります。

 

しかし、注文住宅の場合は、あくまでも建物建築費用が販売価格になりますので建物価格の中には含まれず、あなたが支払う諸経費の中に含まれております。

水道負担金は一般住宅を使用する20mmの水道管を入れる場合は約20万円かかります。

さらに水道管が購入した土地に引き込まれていなかった場合は、上下水道の引込費が約60万円ほどかかります。

水道管の引き込み工事の費用はいくら?工事費が高い土地の4つの特徴

 

これが注文住宅が高いと思われる所以です。

 

7:業者が責任を負う瑕疵担保責任の範囲が建売業者と注文住宅では違う。

業者は販売した新築戸建てについては、10年間の間、建物の主たる構造部部に不具合があった場合は業者が保証しなければなりません。

(雨漏りや突如壁に亀裂が入るなど・・)

この保証は新築物件を販売するすべての業者の義務です。

住宅瑕疵担保責任保険に加入するか、東京法務局にお金を供託しなければ、基準日から50日以降は新築物件を販売することができなくなるのです。

 

だからあなたの購入する物件の基本的構造部分に関しては保険に入っているのです。

これは注文住宅・建売共通になります。

 

しかし瑕疵担保責任保険の範囲が注文住宅と建売住宅では違います。

注文住宅の瑕疵担保責任保険の場合は、建物のみの売買になりますので、建物以外の不具合については責任を負う必要はありません。

土地に不具合があったとしてもハウスメーカーに売ってもらったわけではないからです。

 

一方で建売業者の場合は,建物だけではなく、地も販売しておりますので、土地に関する不具合についても、引き渡し日から2年間の間は責任を負うことになります。

(軟弱地盤で家が傾いたり・隣の家の配管が越境していたなどです。)

 

8:住宅ローンの借り入れするタイミングの違い。注文住宅には借り換えが必要。

 

注文住宅と建売住宅で住宅ローンをそれぞれ借り入れする方法も大きく異なります。

建売住宅で住宅ローンを組む場合は、販売対象が土地と建物セットになりますので、土地代+建物代の借り入れをすればいいわけです。

つまり住宅ローンが土地と建物をまとめた借り入れ先が1本になります。

すべてまとめて借り入れすることで、住宅ローンを借り入れする際の諸経費や金利が安くなります。

 

一方の注文住宅で住宅ローンを借り入れする際は建売住宅と異なり、つなぎ融資というものを使用しなければなりません。

これには注文住宅を購入する上で、土地と建物の取得タイミングの違いにあります。

 

注文住宅を建築する手続き上、契約者が所有していない土地の上に建物を建築するわけにはいきませんから、契約者はまず土地所有者から土地の引き渡しを受ける必要があります。

先に土地を引き渡しをしてもらう際に使用するローンしますが、ここで問題が発生します。

 

住宅ローンは居住用の不動産に対して融資する商品の為、建物もない土地だけに融資するわけにはいかないです。(土地を事業用に使用される恐れがあるため)

そこで登場するのがつなぎ融資です。

つなぎ融資を使用することで、建物が完成するまで土地代の資金調達を行います。

建物完成まではつなぎ融資の月々の支払額を行う必要がありますが、建物完成後は住宅ローンを使用することができますので、つなぎ融資で借りていたお金を住宅ローンで返済し、土地・建物それぞれバラバラだった借り入れ先を住宅ローン1本化にするのが一般的になります。

 

つなぎ融資は、通常の住宅ローンと比べて2%程度高めに設定されております。

平成30年4月現在の楽天銀行のつなぎ融資の金利は2.63%と投資用物件と変わらないぐらいの金利です。

諸経費もつなぎ融資を借りる費用+住宅ローンを借りる諸経費と2度支払うことになります。

 

住宅ローンの変動金利は平均して0.6%台ですから、2%の差になります。仮に1,000万円を借りるにしても、月1万円以上の返済額が変わってきます。

つなぎ融資を行う際は、土地購入後、早めに建物完成させることが、住宅ローンを組めるようにするのが金利負担を抑えるコツになります。

 

9:1棟あたりのコスト(大量発注か1棟ごとの発注か)柔軟性を比較

 

1棟あたりのコストの違いですが、建売住宅が一番得意としている分野です。

建売住宅の1棟あたりのコストはとにかく安い!

それもそのはずで、大手パワービルダーと言われている飯田グループホールディングスは、年間36,000棟分のほとんど同じ建築資材をメーカー契約により一括仕入れをしているわけですから、1棟あたりの建築資材の単価はかなり安くなります。

だから物件の販売価格が安くすることができるのです。

 

ここで勘違いしてほしくないのが、安いからと言っていい家が建てられないというのは間違いです。

その証拠に、私が前に会社の建売住宅と同様の建築資材を使用して、他の工務店に1棟分を建築してほしいと見積りを依頼したときに、前いた会社の原価+300万円の見積書が来ました。

 

前にいた会社は中堅ぐらいに当たりますので、パワービルダーだったらもっと金額差が出てくると思います。但し、大量発注を行っている手前、プラン変更や仕様変更を依頼することを最も嫌い、仮にできたとしても、注文住宅と同様の単価を請求されます。

建売業者は1棟あたりコストダウンを徹底しているもの、その代償として柔軟性を犠牲にしております。

 

一方、注文住宅は1棟ごとの建築資材の発注になりますので、正直コストダウンには期待できません。

しかし、1棟ごとの発注だからこそ、契約者の要望に柔軟に対応し、注文者の希望に近づけることができるです。これが大量発注をしていればこんなことはできません。

 

10:品質・仕上げは注文住宅は安心。建売住宅には当たり外れがある。

 

家の品質・仕上げには注文住宅の得意分野で、ハウスメーカーごとに100項目以上ある社内基準をクリアしてから、お客様にお披露目するので、品質にムラがありません。

 

もし各項目をクリアできていなければ、補修をしてから引き渡しをします。

アフターサービスも充実しているので、ほとんどの会社が建てる物件は高品質と言えるでしょう。

 

一方建売住宅はそうはいきません。なぜなら1棟づつ販売している注文住宅とは違い、建売業者は完成したらすぐ次の現場の工事を行わなければなりません。

それもそのはず、飯田グループの建売は1日に100棟も完成させているのですから、完成した物件に100項目もチェックして補修してたら到底工期に間に合いません。

 

では建売業者の建物のキズ・汚れなどの補修はどうするか?

補修がされていない建物をお客様にお披露目をして、お客様に指摘してもらった傷・汚れを引き渡し日までに直すという方法をとっております。

この方法を使用することで、補修作業がお客様に指摘された箇所だけで済むので、効率的なのですが、見えない部分については、家を建てた大工さんや現場監督の当たり外れがあります。

 

自分の物件は外れの物件だったらどうしようと不安があるのであれば、お金を払って、専門家を雇う方法もあります。

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11:総額(価格+諸経費)は建売住宅が圧倒的に安い。注文住宅の平均総額は建売住宅+500万円程度かかる。

総額は建売住宅のほうが圧倒的に安いのですが、それには「1棟あたりの建物価格」、「諸経費の違い」、「土地価格」の3つの理由が挙げられます。

建物価格ですが、注文住宅は契約者の要望をフルにかなえるために、1棟ごとに建築資材を発注している手前、大量発注をしている建売住宅よりも高くなりがちになります。

 

感覚的な話ですが、原価だけで1坪の建築費が10万~15万ぐらいは違います。

諸経費については、建売住宅で負担する必要のない「ライフライン整備」「地盤調査・改良代」「つなぎ融資の諸経費」が余分にかかってきます。

さらに土地を購入する際の仲介手数料もかかってきますので、建売住宅購入する人よりも余計な諸経費が必要になります。

土地購入費も建売住宅との価格差が最も大きくつくポイントになります。

 

一般の方が土地を購入しようとしても、先に建売業者に良い土地を購入されてしまっております。

一般の方が土地を探す際は、ネットに乗っている建売住宅が買わない物件(相場より高い・辺鄙な土地)の中から選ばなくてはなりません。

*SUUMOやホームズで探している人は特にです。

 

仮に良い立地を手に入れた手に入れたとしても、建売住宅買取価格と比べて1.3倍~1.4倍の坪単価で購入している可能性が高いため、30坪を1,000万で購入してたと場合は、建売住宅の買い取り価格は760万円程度になります。

ちなみに建売住宅と一般の方の購入費の差額は何に使われているかというと、「ライフライン整備代」・「地盤改良工事代」・「水道負担金」等宅地造成費に充てられるのです。

以上の3つの理由から注文住宅の総額は最低でも建売住宅+500万円はかかるのです。

 

費用と自由どちらを選ぶかによって建売住宅・注文住宅を選ぶ必要があります。

 

12:アフターサービスは注文住宅は安心に対し、建売住宅は売主次第

 

アフターサービスの注文住宅と建売住宅を比較してみると、注文住宅はハウスメーカーに直接窓口になりますので、1回連絡でアフターサービスの手配をしてもらえるという安心感があります。

 

建物を建てる請負者と直接契約をしているのが注文住宅の強みになります。

問題は建売住宅のアフターサービスです。

建売住宅を建築する売主というのは、用地買取のみを行っており、建物を建築するのは外注に委託しているケースがほとんどになります。

 

何度も言いますが、建売住宅の売主は建築業界ではありません。完全に不動産屋です。

建売住宅の建物のアフターサービスを受ける場合は、当然売主に連絡するか、購入した仲介会社に問い合わせを行いますが、売主も不動産屋なので、実際に家を建てた工務店に連絡する必要があります。

 

工務店と不動産屋がグループ会社になっていない場合は、完全に他社とのやり取りになります。(連携関係がない)その結果、連絡してもアフターサービスに時間がかかったり、最悪はアフターサービスを断られることだってあります。

 

私の知り合いの仲介会社の人もパワービルダー系のアフターサービスには時間がかかるとおっしゃっておりました。

ただし、建売業者の中では、自社でも工務店を持っている会社もあります。

その会社から購入した場合は、社内管の連携が取れますので、注文住宅と変わらないアフターサービスを受けることだって可能です。(前にいた会社がそうでした。)

建売住宅のアフターサービスの充実度は、売主がどんな会社なのを契約前に知ることで予想することができます。

 

まとめ

 

建売住宅と注文住宅の違いをまとめさせていただきましたが、いかがだったでしょうか。

建売住宅と注文住宅は同じ家でも全く別物だといってもよいでしょう。

 

注文住宅と建売住宅を12の項目で比較検討した結果、これらの下記の内容がガラッと変わります。

 

注文住宅と建売住宅を比較する住まい探しの条件が変わる項目

☑自由度・住宅購入の条件

☑引っ越しまでのスケジュール

☑購入する土地の立地

☑住宅購入費用

☑住宅の完成後の品質・アフターサービス

 

引っ越しまでに期限がある人で、あまり時間がない人が注文住宅を建てようとしても、土地購入等の時間が必要になりますから、現実的な選択肢としては建売住宅を検討する必要があります。

また子供がたくさんいる家庭では、プランがすでに決められてしまっている建売住宅の4LDKではせっかく購入しても、手狭になってしまいます。

そこで建物のプラン変更の自由度がある注文住宅を建築することで6LDKの物件だって建築することができますので、この場合は注文住宅を検討する方がよいでしょう。

元不動産屋:秋 だい

どちらも建築が可能なエリアに住んでいるのであれば、建売住宅・注文住宅のそれぞれを良さを比較検討して決めるのが一番かと思います。

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