新築戸建てや新築マンションなどを、住宅ローンを組まずに現金一括するのと、住宅ローンを組んで購入するんだったら、現金一括で購入した方が得だって思います?
現金一括購入ができなくても、頭金を多めに出して、できるだけ住宅ローンを借りない方が、金利も安くなって、月々の返済額も減るので、ローンをできるだけ借りず、現金で払うのがベストだと思う人が多いでしょう。
私も不動産営業マン時代は、現金一括購入の方が純粋に最強だと思ってました。
ローン特有の諸経費の保証料・印紙代・事務手数料がかからないから得じゃないかってね。
しかし、不動産投資を始めたり、FPになってからこの考え方ががらりと変わりました。
結論から言うと、住宅ローンは組めるだけ組んでおけ!=現金一括は愚かでしかないって事です。(頭金多めも同じ)
今回は現金一括で新築を購入する5つのデメリットについて詳しくご紹介していきます。
ココに注意
住宅ローンを組めるだけ組めというのは、予算に合った物件に対してです。
くれぐれも、年収に対して沢山ローンが借りられるからと言って、予算をいきなり1,000万上げろという趣旨ではありませんので、その辺のご理解をお願いいたします。
※年収3,000万円以上の異次元の方も対象ではありません。(住宅ローン控除も使えないので)
Contents
新築購入で現金一括購入するデメリット5選
ココがダメ
☑他人のお金で家を買うべき!住宅ローンほど安いローン商品はない
☑現金が無くなる事で資産運用もできない上、人生でのコントロールしずらくなる
☑住宅ローン控除が使えない上、住まい給付金も貰えない可能性も大
☑団信が使えない。保険料の見直しや節約もできない
☑税務署からお尋ね文が来る。親から貰っていた場合は要注意
1つずつ解説していきます。
他人のお金で家を買うべき!住宅ローンほど安いローン商品はない
はい。「他人のお金で家を買うべき」ここテストに出ますよ(笑)
多くのお金持ちの方、会社経営者がなぜローンを借りるか分かりますか?
それは自分のお金を一切使わずに他人のお金を利用して、利益を得られるからです。
不動産投資の例で言うと、ローン組んで家を貸す⇒家賃を得る⇒家賃を使ってローンを払う⇒ローン完済⇒自分のお金を殆ど使わず資産を得ることができた!という素晴らしい流れがあります。
住宅購入なので、ローンの支払いのお金は自分になるのですが、住宅ローンって不動産投資などのローンに比べて金利が1/5程度なんですよ!
私は現に金利2.5%の変動金利で資産運用してますが、住宅ローンは現在だと0.4%台で借入れすることができるわけです。
こんな金融商品は世の中探してもどこにもありません。ここで借り入れしなくてどうすんのって話。
じゃあ他人のお金で家を買うべきってどういうこと?ってなると思いますので、次のデメリットでお伝えします。
現金が無くなる事で資産運用もできない上、人生でのコントロールしずらくなる
現金一括払いの最大のデメリットはコレ!
手持ちの大金が一気に無くなるって事・・・コレによりいろんな可能性が失われ、自分の人生をコントロールできなくなります。
せっかく購入した家が呪いみたいに。
具体的には、4,000万円の現金を持っており、諸経費含めて4,000万円を支払った場合、金利負担も無くなり、諸経費もかなり安く済み(戸建てだと60万ぐらいでいける)家を買う為の総額だけは安くなります。
重要なのは、現金一括購入は、家を買うための総額が安くなるしかメリットがないって事です。いろんな方向で見ていない。
一方で住宅ローンを4,000万円を35年0.6%で組んだ場合の月々の支払い額は105,611円です。
内訳は利息分月2万円と元金が約8.5万なので、大体年間24万の利息負担があります。
でも・・・この4,000万円を資産運用したらどうなるでしょうか?
例えばETF投資で月利1%の配当金があったとします。すると毎月40万円の配当金が入ってきます。(ETF投資では月3%ぐらいが平均なので現実的な数字)
月々の返済額が約10万ですので、この配当金だけで支払いができる上、おつりまで出ます。(当然損する可能性も0ではありませんが、分散投資をすればリスクヘッジは可能です)
結果、他人のお金で家を買い(住宅ローン)他人のお金で支払う(配当金)で自分のお金を使わずに、住宅購入をすることができるのです。
この話の肝には、投資額が非常に重要になってきます。仮に100万円を月利1%だったら月1万円しか貰えませんが、元金が4,000万もあるからこそ、同じ1%でも40万円も貰えるわけです。
だから多くの人は現金を保有しておく訳です。
現金一括というのはこの可能性をドブに捨て物と同じ!愚かな行為でしかないのです。
もし、月40万円配当金が入ってくる生活になるなら、働きたくなければ働かなくてもOKだし、病気になって働けなくなっても、4000万円の配当金もあれば、いざって時は4000万円の貯金を切り崩して一時的に生活することが可能です。
つまり、人生の選択肢やリスクヘッジは可能に!(早くこのレベルになりたい)
しかし、住宅ローンで現金を使い切ってしまえば、家の支払いはないかもしれませんが、家以外の出費に対して、収入がないので払えずにキャッシュフロー崩壊⇒家を買いたたいて売るという悲惨な結果になる可能性だってあります。
住宅購入は一世一代イベントなので、つい住宅購入だけの出費について考えがちですが、大切なのは総トータルで見るべき何ですね。
もちろん現金一括ではなく、頭金多めの人にも同じ事がいえますよ。
私が不動産営業マンだった時は、とにかく家をうることしか考えていなかったので、住宅ローンが通りやすい現金一括や頭金多めで話を勧めておりました。
今となっては非常に愚かな行為だと反省している上、多くの不動産営業マンの本音でもあります。
不動産売買マン・住宅営業マンは家が売れれば何でもOKな訳です。
住宅ローン控除が使えない上、住まい給付金も貰えない可能性も大
現金一括のデメリットはまだまだあります。税金面です。
住宅ローン控除は10年間ローン残高最大4,000万(長期優良住宅は5,000万)の1%までが毎年所得税・住民税が還元されます。
単純計算で4,000万円1%が10年であれば、400万円税金が返ってきます。
ここでのポイントは、変動金利の年0.6%で借入れしていた場合、税金の還付が年1%なので、毎年ローン残高の年0.4%が利益になるって言う計算ができます。(頭金多めが絶対という人必見)
当然同じ年0.4%でもローン残高が多ければ多いほど利益は増えます。
2000万円だったら8万ですけど、4,000万だったらその倍の16万です。詳しくは下記記事をどうぞ
>>繰り上げ返済と頭金多めはどっちが得?住宅ローンの総額を安くする方法>>
また住まい給付金も現金一括で支払ってしまうと、50歳以下の方は貰える条件にもかかわらず、住まい給付金が貰えなくなります。
現金一括は税金面での優遇も受けられないのです。
団信が使えない。保険料の見直しや節約もできない
まだまだあります。保険面でも住宅ローンを組まないことで損します。
団体信用生命保険とはご存じの通り、亡くなったり、特約に加入していれば病気になったときにローンの残債が0円になる保険です。
団体信用生命保険のベーシックな物は金利に含まれております。(フラット以外)
ローンを組む=保険に加入するのと同じ意味を持ちます。
4,000万のローンを組めば、今まで入っていた保険の保証が厚すぎる事から保険の見直し・解約をすればそれだけ月々の出費は減ります。その分得。
更に利用する銀行によっては、三大疾病保障・全疾病保障などが無料で入れるので、第三の保険の医療保険の役割も持っております。
すごくないですか?住宅ローンって低金利で借りられる上に保険の意味も持っているんですよ。
なぜ借りない!?なぜ現金一括で購入しようとする?
更に団体信用生命保険をよく言えば、保険金には譲渡所得税がかからないと言うメリットもありますが、この記事の趣旨から離れそうなので割愛します。
病気で住宅ローンが払えない!家を購入後の健康リスクと6つの対策法
税務署からお尋ね文が来る。親から貰っていた場合は要注意
税務署から連絡が来ますよ。
それは新築という何千万円もするものを現金一括購入していますので、どっから資金を調達したのか気になりますよ。
税務署はお金持ちって分かれば、容赦なく税金を取ろうとします。
もし親からもらったお金で全額現金一括購入したぜ!って人が居たらゲームオーバ-ですね。贈与税が課税されてしまいます。
現金一括購入というのはそれだけ目立つ行為なわけです。
なぜ住宅ローンを組むのを嫌がるのか?日本の悪い教育が原因
これだけの現金一括購入や頭金多めで支払うのにはデメリットがあるのに、なぜかローンを借りずに現金で一括購入をしようとする人が減らずいます。
なぜでしょうか?それは日本の義務教育に問題があると私は考えております。
日本は大人になったらなかなか使わない勉強ばっかりやらせるくせに、肝心なお金の教育を一切してこなかったということが原因です。
そもそもお金の使い方には3種類しかないって言うことを知っている人はまずどれだけ居るのでしょうか?
答えは「消費」「浪費」「投資」の3つしかありません。
必ず皆はどれかの項目に当てはまる使い方をしているわけです。
消費は生きていくための費用(食費・固定費)などです。
浪費は娯楽に使う物(遊びに行く・車を買う)なんかは浪費ですよね。浪費で消費者金融でローンを組むなんてなったら最悪です。
投資は、お金を増やす・人として成長・豊かにできるために使用する物です。(不動産投資(住宅購入も含む)・勉強会・書籍を買う)など
住宅購入は一歩間違えれば浪費になりますが、ちゃんとした知識でしっかり購入すれば、投資に該当します。(人生を豊かにする・人として成長ができる意味で・人に貸すもできるが)
そして、借金には2つあって、良い借金と、悪い借金が存在します。
良い借金は投資に該当する物!
悪い借金は浪費に関して行う借金ですね。
お金の教育を一切受けてこなかったせいで、借金に種類があることを知らずに、借金=悪ってなっているわけです。
コレが良くない。
もし現金一括購入で新築戸建てやマンションを購入しようとしている人は、一度冷静になってください。
まとめ
現金一括は、住宅購入面での総額は安くなりますが、それ以外の面(税金・人生のコントロール・投資面・健康面)の総トータルで見るとデメリットしかありません。
お金の教育を一切受けていないのに、何千万円の買い物をするわけですからそりゃ、ローン=悪ってなっても仕方の無いかもしれません。
ですが!結果損しますので、現金一括で購入するのは即辞めましょう。
ただし、住宅ローンを組むからと言って、高い利息や保健面でメリットが受けられない銀行で借りてしまえば、せっかくローンを組む恩恵を最大限生かせない形になります。
どの銀行で借りればOKと言うわけではありません。高い銀行はダメです。
銀行の選び方を最適化することで、ほかの銀行より100万円も安くなる上、健康リスク対策などのサービスの善し悪しも決まります。
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火災保険は保険金・プランがすべて同じなら保険料がどこも一緒だと思って居ませんか?
もし同じだと思って居るのであれば、あなたの保険料は更に安くなる可能性が非常に高いです。
火災保険の仕組み上、同じ保険会社で同じ保証料・同じプランで申込をしても、申込する物件のエリアで保険料が変わるってご存じでしたでしょうか?
もし不動産会社経由で見積もりを取っていたり、火災保険を調べる時間がないって思って居る人は、知らない間に高い火災保険で契約させられるってことも・・
なぜなら火災保険の金額を決める6つの要素の内、3つは各保険会社システムの強み・弱みによって、保険料が大きく変わるのですが、不動産会社などの見積もりではそこまで深く関与して見積もりを取ることはないからです。
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