年に1度は大きい地震が起きている日本において、家の構造にも家を買う重要な要素ではないのでしょうか?
家の構造はいろんな会社で独自工法があったりするので、わけわからなくなりがちですが、家の工法を大きく分けると2つで、在来工法【軸組み工法】とツーバイフォー住宅【2×4】の2つになります。
一条工務店などのモノコック工法などは、ツーバイフォーに更に改良重ねた工法で、ベースになっている工法はツーバイフォーです。
家を買おうと思っている人や注文住宅を建てようとしたことがある人は、なんとなく聞いたことがある言葉だと思いますが、メリットをしっかり把握されているでしょうか?
(家を買う人の中では常識だったりもします。)
タイトルにある通り、ツーバイフォーのメリットを知らずに、ツーバイフォーを拒絶などしてしまうと非常にもったいないなと感じますので、今回は初めて家を買おうかなと思っている人向けに、ツーバイフォーのメリットをご紹介させていただきます。
今回の記事ではツーバイフォーのメリット部分について触れていこうと思っております。
ツーバイフォーのデメリットについては地震に強いツーバイフォーが日本で流行らないデメリット5選と理由をご覧ください。
Contents
【2×4】ツーバイフォー工法の5つのメリット
柱で支える在来工法と比べて、ツーバイフォーは地震に強い。
上記の画像でもあるように、柱を組み合わせて建てる在来工法だと、1本の柱に対して集中的に負荷がかかる為、地震に耐えられたとしても、家にひずみが生じてしまう可能性が高いです。
しかし、ツーバイフォー住宅は、柱1本単位で支えるのではなく、壁1面で支える面構造になっていることから、地震の負荷にかかる面積が広い分、負荷が分散されることで地震後にも家にひずみが起きにくい(地震に強い)家なのです。
具体的な数値でいうと、最低でも在来工法の1.25倍強いといわれております。
この1.25倍という数字は、耐震等級2に相当し、建築設計レベルでいうと避難所に指定される学校や病院レベルの家です。
これだけで地震に強いイメージが持てたのではないのでしょうか?
現に熊本大地震でも倒壊・半壊数は0で、一部修理が数十件程度しか出ていない結果が出ているほど強い家です。
耐震等級2を取得していると、地震保険も30%安くなるといわれていることから、保険面でもお得な工法だといえます。
耐震等級2相当のメリットってある?耐震等級2との3つの違い。
家が燃えにくい。(火災に強い)
大震災が起きた場合、地震よりも地震による2次災害で亡くなっている人が多いってご存知でしょうか?
実は地震よりも2次災害の火災の方が無くなっている人の方が多いです。
ツーバイフォー住宅は、大震災などが起きても死亡事故が少ない理由としては、地震に強いだけではなく、地震の2次災害につながる火災に強い家だからです。
その秘密はファイヤーストップ材にあります。
構造用合板と内壁の間にファイヤーストップ材を入れておくことで、壁と壁の間の空の通り道を塞ぐことで、火に酸素が行かなくなることから、火を燃え上がるのを最小限に防いでくれているのです。
上記の画像の在来工法と比較すると一目瞭然で、空気の通り道を完全にふさいでいるツーバイフォー住宅と比べて、在来工法は壁の内側と室内に空気の通り道があることから、火に酸素が生き渡りやすく火が燃え上りやすい構造なのです。
ツーバイフォー住宅は火災保険上でも準防火構造・もしくは省令準耐火のT構造に該当し、一般の在来工法の住宅(H構造)に比べて火災保険料がかなり割引されます。
気密性が高く、遮音性にも優れる。(防音効果も高い)
出典:大東建託
ツーバイフォー住宅は賃貸マンションにも採用されている工法です。
遮音性に優れる理由は、壁の中に断熱材に該当するグラスウールを入れ、更に防振ダンパーによる壁の2重~3重構造によって音を遮音する構造となっております。
決して大東建託が特別なわけではなく、日本ツーバイフォー建築協会でも上記の工法で定められているので、遮音性が高い工法というのは間違えなさそうです。
もし趣味で楽器を弾きたい方や、音が気になるという方は、在来工法よりもツーバイフォーの物件や注文住宅を建てた方が良いでしょう。
音に関するトラブルの住宅購入体験談は下記記事にてご紹介。
【悲壮】犬の鳴き声の騒音問題で近隣トラブルが発生!売るに売れずに引っ越しできない新築購入体験談
どんな職人が工事をしても品質が常に安定している。欠陥住宅が生まれにくい
ツーバイフォーの最大のメリットは、どんな腕がいい職人、経験が浅い職人が家を建てようが、順番通りに組み立てれば同じ品質の家が建つということです。
つまり品質が安定します。
その秘密は、ツーバイフォーの材木をはじめ木材を止める金物や釘までにすべて国や業界団体が指定した商品を使用しなければならないというルールがあります。
釘に関しても色がついているぐらいですから徹底した品質管理ぶりです。
しかもツーバイフォーは工場ですでに使う材木を組み立てるパズルのように加工したものが現場に届けられるだけなので、職人さんは現場でマニュアル通りに木材を組み立てるだけで、あっという間に家の箱が出来上がってしまいます。
一方在来工法は、会社ごとに材木や金物が決められており、国などを品質担保にしているツーバイフォーに比べて品質にばらつきがある上、材木も柱単位で送られてくることから、柱を組み立てる際にどうしても職人の経験値・感・腕の良さに左右されてしまう工法であるのが弱点です。
よって同じ分譲地でも、建てた職人によって家の良し悪し・耐久性・床の軋みなどに差が生じてくるのはよくある話です。
少なくともツーバイフォーには下記でご紹介するような欠陥住宅には当たりにくいと考えられます。
ジョブチューンの欠陥住宅Gメンから学ぶ欠陥住宅の5つの特徴と対応策
築100年も夢ではない?どんな職人が来てもメンテナンスができる構造。耐久性が高い。
家が古くなっても、長期間安心して住み続けられる家である為には、日ごろからのメンテナンスは不可欠。
よって大手ハウスメーカーである積水ハウスなどは、築30年までの定期点検は無料で行う上、その後有償になるが家が建ち続けている間ずっと保証するというユートラス保証というのもあるぐらい。
日本の家の寿命は平均25年程度で、家のメンテナンスをしないゆえに劣化が早いといわれておりますが、ちゃんとメンテナンスをしながら使い続ければ、家は古くなっても機能面ではそこまで落ちにくいということ。
それを証明するかのように、カナダでは築100年以上の家が複数建っております。これもすべてツーバイフォー工法です。
カナダに建つ木造住宅のほとんどが枠組壁工法である。枠組壁工法は百数十年前から北米の標準的な工法であり、部材の断面寸法、使用材料などが昔と今では多少変化してきているものの、基本的なコンセプトは現在も100年前も同じである。
このことは、一般的な技術をもった現代の大工でも、100年前に建った躯体の改修工事が行えることを意味する。本調査の結果から、木造住宅を長く使うためには、万が一、躯体が劣化した場合でも、劣化した部分の交換が誰にでも行える標準的な工法を用いていることが重要との印象を得た。
ツーバイフォーは数百年前に完成した素晴らしい工法なので、時代が建っても基本的な部分は変わらないことから、どんな職人が来ても家がメンテナンスしやすいというところが大きなポイントだといえます。
逆に在来工法は、どんどん進化して飯田産業をはじめとする独自工法が出てきていることから、メンテナンスできる職人さんに限りが出てしまい結果メンテナンス費用も高めになってしまうというデメリットがあります。
まとめ
ココがポイント
☑ツーバイフォーのメリットである「耐震性が高い」「耐火性が高い」ことから、地震や2次災害の被害も少なく、火災保険・地震保険もかなり安くなる。
☑ツーバイフォーは騒音トラブルが多い賃貸住宅でも採用されている工法であることから、遮音性が高い。
☑国や業界団体が材木・釘までも商品指定及びマニュアル化している為、どんな職人が来ても品質が一定のレベルになる安定した工法。欠陥住宅も生まれにくく、更に工法自体が変わっていないことからメンテナンスもしやすく、築100年の家も夢ではない工法。
大手ハウスメーカーのほとんどがツーバイフォーを元にした改良工法を販売していることを見ると、いかにツーバイフォーがコスパが高い工法だということがうかがえるかと思います。
家の耐久性・災害に強い家を第一優先にしている人は、ツーバイフォー住宅が非常にお勧めです。
また将来リフォームをしたいという人は、壁で支えるツーバイフォー住宅には不向きですから、選ぶのをやめておいた方が良いでしょう。
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