火災保険の金額を決める要素として、年割ができるか?建物の構造の種類(M構造・T構造・H構造)の種類はどれ?特約の有無によって金額が決まりますが、建物の構造に次に保険料を決める要素が建物の評価額です。
いわゆるいくらの保険金をかける?って話ですね。
建物評価額の設定方法によって、保険料だけではなく、保険金の貰える額、一部損壊などでも実際に被害にあった額全額支払いのパターンと、比率によって支払いされるパターンが決まるってご存知でした?
これを上手に利用することで、保険料を安くしながら、保険金を最大限に受け取ることが可能なんですよ!
今回はFPでもある大月が、火災保険を安くする建物評価額の裏技と注意点についてご紹介させていただきます。
保険会社や不動産屋に任せっぱなしにすると、必要以上の保険金で結果、高い保険に加入させられる羽目になります。
不安で高い保険に加入するのであれば構いませんが、少しでも出費を抑えて最大限の保険金が欲しいという方は、ぜひ参考にしてみて下さいね。
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保険金を決める建物評価額は通常どうやって決められるの?
火災保険会社が見積を行う際の必要書類として「建築確認申請書4面」「不動産売買契約書」「住居表示」の3つなのですが、建物評価額は売買契約書に記載されている建物価格で算出します。
仮に3,180万円の建売物件で土地価格1,580万円だった場合、建物価格は1,600万円になるってことですね。
建物価格1,600万円っていうのは結構あります。もちろん1,600万円の建物評価額で見積を取るのも良しですが、この建物評価額は実は変更することが可能なんです。(上限があります。)
ここの建物評価額を上手に変更することで保険料が数万円安くなります。
注意!再調達価格と時価は新築建ての場合は再調達価格で設定すべき
火災保険には保険金(建物評価額)価格を決める種類(建物を評価する種類)が、再調達価格と時価と2種類あります。
ここは新築物件の場合は否応なしに再調達価格を選ぶようにしましょう。
保険料は時価に比べて高くなりますが、家が全焼したときの立て直しができなくなりるリスクがデカすぎます。
保険金を受けとる際のそれぞれの計算式をご紹介させていただきます。
再調達価格と時価の違い
☑再調達価格:新築に立て直しするための価格(築10年経過して全焼しても、購入した物件の再建築費用が下りる。)
☑時価:新築時の価格ー時間経過による減価償却費=保険金(築10年経過して全焼したら、築10年の時の建物の価値分しか費用が下りない。)
※減価償却費は保険会社によって係数が変わる。
仮に時価で火災保険を契約し、1,500万円の建物に対して、築10年後500万円を引かれた残り保険金1,000万円時に全焼してしまった場合。
1,000万までしかおりませんから、同じ建物を建築するのに最低でも500万円を負担しなければならないんですね。
こうなると実際は残りの土地を売って中古住宅を購入するのが現実的になります。(再建築は実際難しい。)
もしこれが再調達価格で契約すれば、10年後でも1,500万円まで保険金がおりますがら、保険金を使って新規に再建築をするのが可能ってわけです。
新築物件を購入するのであれば、火災保険が高くても建物評価方法を再調達価格にしましょう。
中古戸建てを購入する方は、購入する戸建てが新築時にいくらかかったのかがわかりません。
中古戸建てでも再調達価格を計算することは可能ですが、通常よりも高くなりがちです。
そのため多くの中古住宅を購入する人は、時価を利用し、燃えてしまったらその土地に新築物件を建てるための自己資金として利用する方が多いです。
裏技!火災保険を安くする裏技は建物価格の80%にする事(実損払いが使えるギリギリライン)
火災保険の最大限の保険金を受け取ることができ、保険料を数万円安くする裏技は、建物価格評価額を80%にして計算することです!
多くの売買契約書に記載されている建物価格(評価額)には建売業者・ハウスメーカーの利益がたんまりの乗っかっております。
実際、建物価格の3割は利益だと言われておりますので、建物評価額の70%が原価になるわけです。
よって建物評価の30%以上が業者の利益なので100%計算してしまうのはもったいない話。
ただここで70%にすればいいのかというとそうではありません。結論から言うと70%は絶対NGです。
80%にするかにはちゃんと理由があります。
80%という数字は損害保険にとってはものすごく重要なのです。
保険会社が保険金の支払方法として「実損払い」と「比例てん補払い」の2種類あります。
実損払いというのは損害額に対して全額払う方法。
比例てん補払いは損害額に対して比例して払う方法。(こっちは満額がもらえない)
保険金額が保険価額の80%以上の場合は実損払方式と同様ですが、保険金額が保険価額の80%未満の場合はお支払いする保険金が損害額を下回り、十分な復旧ができないことがあります。
出典:東京海上日動
80%という数字は実損払いの境界になるため、保険金を安くしつつ、損害が出たときに保険金の上限まで満額で支払われるので、必ず実損払いで契約するようにしてください。
そもそも建物評価額をどこまで上げ下げができるの?
火災保険の建物評価額の上限は、売買契約書に記載されている建物評価額の±30%までが一般的です。
なぜここまで変動できるか言うと、同じ金額で建てた建物でも、会社によって設備のグレードも異なれば、そもそも建物面積も異なります。建物価格などの建坪単価というのは業者側で勝手に決めることができるので、消費税を払いたくないと息巻く業者は本来は坪50万のところを、坪40万円にすることで、業者は消費税を払う金額を抑えることができたりします。
ただこれだと、本来50万で建てられるのが、40万円で計算されると再建築が難しくなったりするので、±30%を持たせることで増減させることが可能なわけです。
このケースが建物評価額をプラスしたほうが良いケースです。
もちろん坪単価が以上に高すぎる会社(土地を買取するための戦略上)あります。
この場合は必要以上の超過保険になるので、この場合は火災保険代を安くするわけですね。
要注意!保険を下げたいが故の建物価格を80%以下にするのは危険(比例てん補払いはNG)
30%まで下げられるということで、建物評価額の70%まで下げようと思っている方がもしおりましたら、絶対にやめておきましょう。
というのも建物評価額の80%以下で設定してしまうと、実損払いではなく、比例てん補になってしまいます。
比例てん補払いを簡単に言うと、一部保険です。すべての実損に対して全額下りるわけではありません。
これがまずい。
実際に計算してみましょう。
実損払いと比例てん補払いの違いと計算式
建物価格1,500円を80%の評価額で加入した実損払いと、70%で加入した比例てん補割合が、台風で屋根に損害が200万円出た場合の保険金はいくらの差が生じる?
※実損払いは1,500万円の80%の1200万円までの保険なので、200万円の損害であれば全額出ます。
※比例てん補払い
200万円の損害に対して実損払いととは計算式が異なります。
200万円(損害額)×(1050万円(保険金70%)÷1,500万(建物評価額))=140万円(保険金)
60万円は実費負担
140万円(保険金の7割)分の一部は保険金が出ますが、残りの3割は常に負担しなければならなくなります。
一方の80%で設定すれば実損払いになるので、保険金を超えない範囲であれば、損害状況に応じて全額保証されます。
安易に70%とかにしては絶対にダメですよ。
まとめ
新築戸建ての建物評価額設定で火災保険が安くなるたった1つの裏技
☑建物評価額設定で火災保険が安くなる裏技は建物評価額の80%で契約すること!(実損払いが使えるギリギリライン)
☑建物評価額の設定は、売買契約書に記載されている建物価格の±30%までの増減が可能。不安であれば130%にすることもできるし、本気で安く抑えたいのであれば70%にすることも可能。
☑建物評価額70%にするのは絶対にダメ!建物評価額の80%以下になると、実損払いが使えなくなり、比例てん補払いの一部保険になってしまう。保険をかけなかった分だけ自己負担になってしまうのでこれはリスクがデカすぎるのでNG
建物評価額の設定についてはいかがだったでしょうか?
実損払いと比例てん補払いを理解して、超過保険にならないように建物評価額の設定を行えば、保険金は全額は受け取れる上に、保険料が数万円安くなりますので、ぜひ見積を取ってみて下さいね。
あと火災保険は10年一括払いが保険料を安くする秘訣ですよ。
同じ保証額で総額10万安くする火災保険のカラクリとは?
火災保険は保険金・プランがすべて同じなら保険料がどこも一緒だと思って居ませんか?
もし同じだと思って居るのであれば、あなたの保険料は更に安くなる可能性が非常に高いです。
火災保険の仕組み上、同じ保険会社で同じ保証料・同じプランで申込をしても、申込する物件のエリアで保険料が変わるってご存じでしたでしょうか?
もし不動産会社経由で見積もりを取っていたり、火災保険を調べる時間がないって思って居る人は、知らない間に高い火災保険で契約させられるってことも・・
なぜなら火災保険の金額を決める6つの要素の内、3つは各保険会社システムの強み・弱みによって、保険料が大きく変わるのですが、不動産会社などの見積もりではそこまで深く関与して見積もりを取ることはないからです。
あなたの物件のエリア・物件の特徴を生かした割引を使用すれば、同じ保証でも総額が10万円変わる事も珍しくありません。
火災保険を10万円安くするカラクリを知りたい方はコチラ>>