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建売住宅・注文住宅・間取りのポイント

地震に強い耐震等級3はメリットしかない?たった1つのデメリットとは

投稿日:2018年8月23日 更新日:

耐震等級3の物件は耐震等級1=建築基準法上の建物の耐震性に比べて1.5倍以上と定められており、地震大国日本にとっては、非常に理にかなった地震に強い家だといえます。

ハウスメーカーの多くが耐震等級3と販売されておりますが、耐震等級3にすることでのデメリットってご存知でしょうか?

今回ご紹介させていただくデメリットは、注文住宅でこだわりの間取りが絶対条件の方の場合はかなり要注意!

今回は耐震等級3のメリットとたった1つのデメリットについてご紹介させていただきます。

元不動産屋:秋 だい

間取りにこだわりが非常に強い人だったりすると、耐震等級3にすることで、希望条件がかなえられない可能性があります。

耐震等級3の3つのメリットとは?

地震保険が50%も安くなる。

 

耐震等級3の住宅は長期優良住宅に該当する為、地震保険の割引が建築基準法の新築割引の10%から、なんと50%まで割引されます。

下記の表は東京海上日動のより引用

2014年7月1日以降
始期契約~

耐震等級 割引率
3 50%
2 30%
1 10%

出典:東京海上日動

2014年7月以前は30%までの割引率だったのですが、7月以降から50%まで割引率が増加されております。

地震保険は物件にもよりますが、木造戸建ての2階建てであれば、5年で10万弱です。3階建ての物件であれば建物面積が増えることで、建物評価額も上がる為、もう少し高くなります。

それがたったの5万弱(1年1万円)までに減額するので、非常にありがたいわけです。

ココに注意

耐震等級3の割引率と新築割引の10%を併用することはできません。

地震保険で利用できる割引は4種類あるもののそのうち一番割引率が高いものを利用する形になります。それが耐震等級3

フラット35だと一発でSのAタイプ!10年間金利が0.25%安くなる。

 

フラット35Sとは、購入する物件の建築技術が一定のラインを超えている場合、金利を0.25%安くしてくれる優遇措置です。

フラット35SにはAタイプとBタイプの2種類存在します。

フラット35SのAタイプは実効金利(決済時の金利)から0.25%を10年間優遇してくれる措置で、Bタイプに比べて建築技術の審査が厳しいです。

ただしBタイプは5年間までしか金利優遇をもらうことが出来ません。

フラット35SのAタイプを利用する条件は下記の通りになります。

省エネルギー性※1 (1)認定低炭素住宅※2
(2)一次エネルギー消費量等級5の住宅
(3)性能向上計画認定住宅(建築物省エネ法)【平成28年4月1日から】
耐震性 (4)耐震等級(構造躯体の倒壊等防止)3の住宅
バリアフリー性 (5)高齢者等配慮対策等級4以上の住宅(共同住宅の専用部分は等級3でも可)
耐久性・可変性 (6)長期優良住宅※4

出典:https://www.flat35.com/business/standard/flat35s.html

 

これらの1つを満たせば、フラット35SのAタイプを利用することができるので、耐震等級3にすれば一発でフラット35SのAタイプを利用することができます。

 

仮に3,000万円の物件を金利1.25%で35年間借り入れを行った場合、フラット35Sの優遇がなければ、毎月88,225円の支払いになりますが、フラット35Sの優遇措置を利用すれば1%で借り入れできますから、月々84,685円で借り入れすることが可能です。

その差額3,570円なので、Bタイプの物件の場合は3,570円×60カ月(5年)=214,200円安くなり、Aタイプであれば、Bタイプの倍額の428,400円も安くなるのです。

耐震等級3の物件を購入するのであれば、都市銀行の固定金利で借り入れするよりも、フラット35を借り入れしたほうお得になることも珍しくありませんよ

 

住宅ローン控除拡大・固定資産税が最大5年間半額と税金関係の優遇を受けられる。

 

耐震等級3及び長期優良住宅になっている物件の場合は、住宅ローン控除の額が最大で4,000万円の1%までだったものがが5,000万円の1%まで拡大されます。

5,000万円以上のローンを組む人にとっては住宅ローン控除額が増えるので耐震等級3の物件を購入するメリットを最大限還元できるでしょう。

更に新築物件の建物の固定資産税が半額になるといわれる減税措置は通常3年で4年目から固定資産税が高くなるといわれておりますが、長期優良住宅に該当している場合は3年の減税措置から5年まで延長されます。

 

ここでの注意点は耐震等級3だけではこれらの減税措置が受けられないってことです。

(長期優良住宅は耐震等級2から取得可能)

建売では東栄住宅ウッドフレンズさんが耐震等級3及び長期優良住宅に該当するので、耐震等級3でも長期優良住宅を取得しているかを確認することをおすすめします。

 

耐震等級3の唯一のデメリットは1階の間取りの制限が厳しい上、窓を多くつけられず日当たりが悪くなりがちになる。

耐震等級3は税金面・耐震性・地震保険の割引などのメリットはありますが、唯一のデメリットが耐力壁を多く取り入れなければならないことによる間取りの制限です。

例えば、南側に一面をでかい窓を多くつけたいってなると、窓を取り付けることで耐力壁の数が減ってしまいますから、耐震等級3の基準値に満たせず、設計上NGになることは少なくありません。

窓が少なくなって、建物に日が当たるのに、部屋が暗いってことにもつながります。

また壁の数を増やすために、ドーンと広いLDKを作りたいといっても途中で壁を設けなければならない、1階に広い部屋を作りたいといっても、壁の数が足りないなどの理由で、間取りの条件が満たせない場合があるって頃ですね。

 

あとは、確実に無理なのは吹き抜けです!

耐震等級3の物件で吹き抜けの間取りは見たことありません。

耐震等級3の物件は建物のバランスをかなり重視しております。

 

吹き抜けを設けなければ、バランスの良い四角い家だったのに対して、吹き抜けをつけることで、空間ができてしまい、地震が生じた場合に、壁が少ない吹き抜け部分に圧力がかかってしまう為、耐震等級3の物件には吹き抜けはダメなんです。

旗竿地などの南側に家が建っていて、吹き抜けがあれば上から日当たりを確保することが可能ですが、耐震等級3の場合は吹き抜けが付けられませんので、建物に囲まれている旗竿地は等級を取るか日当たりを取るかを検討する必要がありますね。

吹き抜けで後悔している人続出?吹き抜け間取りの9つのメリット・デメリット

 

気をつけて!耐震等級3相当という新語だと上記のメリットが使えない

 

耐震等級3を取得するためには、構造計算を行うのはもちろんの事、住宅性能評価センターにて申請・審査を行い始めて耐震等級3ということで法律上で認知されます。

耐震等級3相当というのは構造計算だけ行い、後は設計を行った企業・ハウスメーカーの独自の判断で3相当と謳っているにすぎず、法律上では建築基準法の同様の建物=耐震等級1扱いです。

耐震等級3相当では地震保険の割引・フラット35SのAタイプも利用できない・税金の減税措置のメリットが一切使えませんので騙されないようにしましょう。

ただ耐震等級3を相当にすることで、申請費用+手間賃分のコストが下がるので、販売価格が安くなりがちです。

価格と認定されている物件どっちを取るかってところですね。

4号建物特約で何もしていない2階建ての家よりははるかに安心です。

耐震等級2相当のメリットってある?耐震等級2との3つの違い。

 

まとめ:整形地&拘り無しの間取りであれば耐震等級3はデメリット特になしです

ココがポイント

☑耐震等級3のメリットは「地震保険が50%割引(半額になる)」「フラット35Sが自動的にAタイプで10年間金利がやすくなる」「税金関係の優遇措置が拡大する]の3つ

☑住宅ローン控除・建物の固定資産税の優遇措置の拡大は、耐震等級3だけではダメ!長期優良住宅になっているかも合わせてチェックしよう。

☑耐震等級3のデメリットは耐震等級3にする為の耐力壁増加によって、窓が多くつけられない、吹き抜けNG、部屋の途中でも壁が必要になるなどの間取りの制限が出てくること!特に1階は厳しいので日当たりの悪い家の場合、窓や吹き抜けをつけられず更に日当たりが悪くなることも・・ある。

耐震等級にもデメリットはあるものの、建売住宅であればプランが出来た状態で検討できるので、建売であれば耐震等級3のデメリットは無いに等しいでしょうね。

土地が整形地では無い場合、間取りに無理が生じ、耐震等級3を取るために間取りの制限が出る可能性はありますが、整形地でゆとりのある土地であれば注文住宅でも問題なしです。

窓の取り方・明り取りだけ気を付ければよいでしょう。

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