建物に拘りたい人が、総額を抑えるために私道の土地を検討している方が居ると思います。
私道の土地で安くできるかは、ライフラインの接続するための掘削承諾が問題なく取得できるかが一番重要になります。
私道に面している土地は相場の70%ぐらいで購入できる上、私道を通る人が少ないので、交通事故などのリスクが少ないというメリットがありますが、私道の持ち分を持っている人次第によっては、公道を購入するより高くなる可能性を秘めてますので要注意。
最初に言っておきますが、私は安く買えるぐらいしかメリットを感じておらず、私は駅から遠くても公道の物件を買うぐらい、不動産営業マン時代に私道に苦しめられてきました。(都内の物件で)
そんな中で、過去にご紹介頂いた私道の案件で水道管をやり替えするのに、総額で150万円かかるケースがありましたので、体験談としてシェアさせて頂きます。
これから私道の土地を探す人の探す人の参考になれば幸いです。
私道トラブルに巻き込まれた私が本気で伝えたい私道の4つのデメリットとは?
Contents
買取案件で掘削承諾に押印するのに100万払うのが条件と言われたので断った体験
私が建売業者デベロッパー時代に、知り合いの不動産業者からとある案件をご紹介頂きました。
その内容が私道のドン突き(袋地の一番奥)の物件で、そのエリアにしては相場が安すぎたので

なんか訳ありっすか?買い取るなら掘削承諾取得が条件ですけど、とれますか
って聞いたところ・・・
いや~~私道の持ち分を持っている1人の人が、掘削承諾書に印鑑を押して欲しいなら100万よこせって言っている案件なんですよ。
なるほど、だから安いわけですね。「多分うちでは買い取りしないですねって」言ってお断りしました。
水道管の引き込み工事の相場は40万円~50万円です。よって水道新設代だけで150万円掛かるわけです。
私道も接続だけであれば、一般住宅と変わらずにライフラインの接続は可能です。
しかし私道の持ち分である人が1人でもそんなことを言ってきたら、100万円払わない限り、私道を掘ることができません。
勝手に掘ってもOKじゃねっていっても水道屋が嫌がるわけです。
もし、私道の所有者が1人であればまだ良かったんです。
売主に100万指値すれば買える可能性があるので。
しかしその案件は私道の所有者が3人いました。
仮に100万その方に払ったとしても、ほかの私道の所有者が黙ってないでしょう。あの人だけ100万払ったなら、私にも払ってよ!ってなりかねません。
こうなるとリスクがでかすぎます。
私道を持っている人数が多ければ多いほどリスクが高いので、私道の物件を買う人は必ず道路の謄本も見ておきましょう。
なぜこんなことを言うのか?
既得権って言葉をご存じでしょうか?
後から来た人は先に居た人の意見を聞かなきゃとかいうあれです。(政治家の黒い部分ですよ。)
悪い私道所有者はここゾッと言うときに既得権益を発揮してくるときがあります。
私はこの「既得権益」という言葉が早くなくなることを祈っております。
私道の物件は売るに売れなくなるリスクもある
結局この案件がどうなったかは知りませんが、こういう私道の持ち分の人が居ると、売ろうとしても、掘削承諾書を買主が取得できず、売りたいけど売れない負の財産になる可能性もあります。
建売業者の位置指定道路に接した分譲の私道であればこういったリスクはかなり少ないですが、既存の私道内に新規で家を建てる場合は要注意。
私道埋設管の水道管が細すぎて、口径変更ができない場合がある
仮に掘削承諾書を取得したとしても、古い私道の物件だと、私道内に埋設されている水道本管の口径が細い場合、新築戸建ての標準である20mmの取り出しができない場合があります。
その場合は13mmの対応になるのが殆どですが、13mmで2階水回りの物件や、水回りの設備が多かったりすると、水圧が弱かったり、設備自体に制限が出てきます。
仮に20mmで取り出しができたとしても、ほかの家の方の水圧が弱くなったと言うことでクレームをもらう場合があることから、多くの水道屋は、私道の隣接地の方に説明・署名捺印を頂いてから工事を行うのが一般的です。
もしこの書類がもらえない、20mmの埋設管ができたとしても、近隣住民と同じ13mmで新築戸建てを建てる事になります。
私道内の私設管は役所調査ができない!私道の土地を買うなら必ず瑕疵担保責任を設定しよう。
不動産屋も既存の私道に埋設されている水道管の口径を知らずに購入している場合があります。
なぜなら各自治体の水道局では、公道に埋設されている管(公設管)を管理するので、私道内、つまり各所有者が管理している水道管までの事は把握していないのが現状です。
よって私道内に入っている水道本管から、私道内の家まで何ミリの取り出しをしているかは全く分からない場合があります。
私道内の土地は隣の家の土地を横断して(地中内越境)取り出ししていることも決して珍しいことではありません。(瑕疵担保責任に該当で良くある話。)
注文住宅を立てる上で、購入する土地の多くは個人の方が売主になるため、瑕疵担保責任を負わない契約もできますが、私道の物件の場合はリスクがでかすぎます。
50万円高くなってでも、引き渡しから3ヶ月の瑕疵担保責任をつけてもらうように交渉しましょう。
もし瑕疵担保免責だった場合、諦める勇気も大切です。(建売業者も瑕疵担保責任をつけて契約するのが一般的)
まとめ
ココがポイント
☑私道の水道の引き込み工事自体は安く済むが、私道の所有者によっては既得権益を振りかざして、押印するのにお金を請求してくることもある。
☑私道内に埋設されている水道管は古い管が多いので、一般家庭が使用する20mmの配管を入れられず、13mmでしか設備できない場合もあるので注意。
☑私道内の配管事情は水道局では管理していない場合があるので、掘ってみないと分からないって状況のため、地中内越境も良くある話。必ず瑕疵担保責任をつけてから契約しよう。
建売業者が道路などを造成する分譲地内であれば、このような心配はありませんので購入してもOkです。
(同時期に購入しているので既得権益もクソもない)
むしろ大きな分譲地は、資産価値が落ちにくい戸建て住宅になるので、多少高くても大型分譲地を購入する事はオススメしてます。
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