固定資産税は建物と土地それぞれに課税されますが、新築物件の場合、建物の設備仕様・広さによって評価額が変わるため税金が変わります。
新築物件の建物評価額を正確に判断するために、税務署の方が建物の中をチェックする家屋調査を行います。
家屋調査って何?やばいやつ・・って思う人も居るかもしれません。
家屋調査で家を見られるのが嫌だと思っている人や、家屋調査を行うタイミングが分からないなどの不安だと思う方も居ると思います。
住宅購入後の固定資産税の家屋調査について解説していきます。
Contents
引き渡しから家屋調査の調査がくるのはいつ頃?
結論から言うと家屋調査のいつ頃来るかはその自治体によります。
一般的には引き渡しを受けてから1ヶ月~2ヶ月でお尋ね文が届くことが多いです。(私が担当したお客様もそうでした。)
ただ、税務局から全くお尋ね文・連絡が来ない自治体もあれば、ある月だけ集中的に家屋調査を行う自治体、引き渡しを受けて半年後に行うケースもあります。
購入するエリアの自治体によって家屋調査の連絡が来る期間が変わります。
ちなみに私の住んでいる埼玉エリアは、新築物件購入したすべての人が家屋調査を行うのではなく、ランダムでお尋ね文が来たりしております。
注文住宅を購入した人は、建売住宅と異なり、人によって設備も異なりますから家屋調査のお尋ね文が来ると一般的には言われております。
ココに注意
下記のケースの場合引き渡しから1ヶ月~2ヶ月で家屋調査の連絡が来る可能性が高いです。
※仮に年末に住宅を購入し、1月1日に所有者になった場合、翌年の固定資産税を納める義務が発生します。
このときは新築の建物の評価額が分からない為、税務署は急ピッチで家屋調査を行い評価額を算出する必要があるのです。
家屋調査に必要な書類とは
家屋調査時に必要な書類は以下の通りです。
家屋調査時に必要な書類。
☑建築確認一式書類(延べ床面積・構造などを確認)
※建築確認一式書類がない場合は、間取り図(延べ床面積が分かる物)
☑長期優良住宅の証明書の写し(建売住宅など内場合は不要。)
☑建物仕様書。(設備のグレードが分かる物)
建物の評価額を決める際に、建物面積が重要になりますので、建物面積が記載されている書類は必須書類になります。
次に構造も建物を、木造住宅と軽量鉄骨造では減価償却の計算式・家自体の評価額も大きく変わります。
建売住宅の場合は木造住宅ですが、注文住宅は大手ハウスメーカーであれば軽量鉄骨造の家は多く存在します。
木造住宅と軽量鉄骨造であれば当然木造住宅の方が固定資産税は安いです。
あとは設備グレードで建物の評価額も変わってきますので、設備のグレード表があると良いでしょう。
建物の固定資産税の家屋調査を行う方法とは一般的に2種類ある。
税務署の担当者からお尋ね文や連絡が来たら、自治体によって家屋調査を行う方法を伝えられますが、親の家屋調査体験談及びお客様のヒアリングから分かった家屋調査の方法はこの2つの内どちらかです。
税務署が行う家屋調査の方法
☑税務署が室内をチェックする方法。(直接訪問)
☑税務署が外観を見て書類だけで判断する方法
1つずつ解説します。
税務署が室内をチェックする方法。(直接訪問)
1つ目の方法は一番メインで行われている建物の評価をチェックする方法です。
税務署が家屋調査を行う時間は15分程度でチェックし、主に外壁材・設備のグレードや窓の形などをチェックします。
評価額の算出には総務省で定められた税率で計算します。
評価基準はかなり細かく設定されており、窓が四角い窓と丸窓だと評価額って変わるんですよ。(4ページ以降から参照)
私のお客様の場合は、床暖房がガスか電気で確認されました。それだけでも評価額が変わるようです。
ただ家の中で調査をするのはOKだとしても見られたくない場所だってきっとあるはずです。クローゼットの中や寝室などなど・・・
そんなときは、事前に担当者に連絡することで柔軟に対応してくれるそうです。
税務署が外観を見て書類だけで判断する方法
2つ目の書類で検査する方法は、調査員が現地の外観を確認し、残りは書類だけで建物を判断します。
書類は、上記でご紹介した「建築確認一式書類の写し(無ければ間取り図)」「長期優良住宅の証明書の写し(無ければOK)」「設備の内外仕様書(プレゼンボード)」などを郵送で送って欲しいという自治体もあれば、市役所に保管されている建築確認申請を見て建物評価額を算出する自治体があります。👈こっちが主かな。
以上2つの手法で家屋調査は行われております。
もちろん連絡が来ない人は家屋調査を行わずに、税務署の基準にある計算式で建物評価額を算出しております。
(建売だとほぼ現地調査こないんじゃないかな?)
建物の固定資産税の家屋調査で見る3つのポイントと疑問点
ココがポイント
☑家屋調査って拒否できないの?
☑外構が立派だと固定資産税が高くなるって本当?
☑家具にこだわって家具を買ってしまったが、課税対象になるのか?
1つずつ解説していきます。
家屋調査って拒否できないの?
家屋調査を拒否する事ができる自治体もあるようで、100%拒否できないと言うわけではありません。
拒否をする場合は、書類と建物の外観だけ調査しての判断になります。
正確に判断できない上、書類上の判断となります。
噂レベルですが、現地調査が行えない家屋調査は、建物評価額が高めに設定されることもあるようです。
税務署も見ていない物を安くは見積もれないでしょう。これは納得。
都合が付かないなどの理由が無い限りは、お尋ね文が届いたら現地調査を行ってもらうのが無難でしょう。
外構が立派だと固定資産税が高くなるって本当?
コレは違います。外構は建物の評価額に算入されません。
評価対象になる部分を、固定資産税評価額基準を引用します。
赤文字以外読み飛ばしてもらって結構です。
(1) 主体構造部 基礎、柱、梁、壁体、床版、小屋組、屋根版、階段等、家屋の主体となる構造部分をいう。
(2) 基礎工事 建物の荷重を支える地下構造部分を築造するための根切工事、建物による荷重と地盤の状況に応じて施工する杭打地業及び割栗地業等をいう。
(3) 外周壁骨組 建物の外 周 壁の骨組で主体構造部を構成しないものをいう。
(4) 間仕切骨組 内部の各部屋を区画する間仕切の骨組をいう。
(5) 外部仕上 建物の外 周 壁の仕上部分とその下地部分をいう。
(6) 内部仕上 建物の内 周 壁の仕上部分とその下地部分をいう。
(7) 床仕上 床の仕上部分とその下地部分をいう。
(8) 天井仕上 天井の仕上部分とその下地部分をいう。
(9) 屋根仕上 建物の覆蓋を構成する屋根部分のうち 、 主体構造部に含まれる小屋組、屋根版等を除いた屋根葺下地、仕上部分、防水層等をいう。
(10)建具窓、出入口等の建具及びその取付枠並びにシャッター等をいう。
(11)特殊設備 劇場及び映画館のステージ、銀行のカウンター、金庫室等の特殊な設備及び階段の手摺等に別に装飾を施したもの等をいう。
(12)建築設備 電気設備、衛生設備、空調設備、防災設備、運搬設備等家屋に附属して家屋の機能を発揮するための設備をいう。
(13)仮設工事敷地の仮囲、水盛、遣方、足場等の建物の建築に必要な準備工事又は工事中の保安のための工事をいう。
(14)その他工事 (1)から(13)までのいずれの部分にも含まれない木
ここに外構という文字は1つも出てきておりません。建物の固定資産税はあくまでも建物内の建物評価額によって算出されます。
外構のグレードが高くても建物の固定資産税が高くなることはありません。(カーポート・門扉は対象外)
仮に外構は素晴らしいが、家がハリボテの家であれば、ハリボテの家が課税対象となるのです。
→旗竿地に積水ハウスで建てたら外構費が予想以上に高かった失敗談【購入体験談・口コミ】
家具にこだわって家具を買ってしまったが、課税対象になるのか?
テレビやエアコン・後付けの太陽光パネルも課税対象にはなりません。
なぜならこれらは建物に最初から着いていた設備ではなく、動産物に該当するからです。
建物の評価額対象は建物に最初から着いている設備・仕様・構造・面積等で決まります。
よって床暖房が最初から付いている物件の場合は床暖房が課税対象になりますが、後付けで床暖房を設置した場合は課税対象になりません。
→床暖房はあとから設置できる?建築後のリフォーム費用と2つの注意点
まとめ
ココがポイント
☑新築購入後の建物の家屋調査行うタイミングは引き渡し後から1ヶ月~2ヶ月後に税務署よりお尋ね文が届くことが多い。自治体によっては半年後・家屋調査を行わない場所もある。
☑家屋調査を行う方法は、家の現地調査を15分ほど行う方法と、調査員が家の外観を確認し、市役所に保管されている建築確認一式書類で評価額を算出する方法の2種類
☑建物の評価額は建物の設備・使用のみで判断される。外構や後に設置した家具などは建物評価額に反映しない。(固定資産税増額に影響しない)
家屋調査を行う事で、建物の固定資産税を計算するのと同時に、不動産取得税も計算することができるようになります。
新築戸建ての不動産取得税の計算方法は「不動産取得税の目安金額はいくら?新築戸建ての税額を計算して解説」をご覧ください。
同じ保証額で総額10万安くする火災保険のカラクリとは?
火災保険は保険金・プランがすべて同じなら保険料がどこも一緒だと思って居ませんか?
もし同じだと思って居るのであれば、あなたの保険料は更に安くなる可能性が非常に高いです。
火災保険の仕組み上、同じ保険会社で同じ保証料・同じプランで申込をしても、申込する物件のエリアで保険料が変わるってご存じでしたでしょうか?
もし不動産会社経由で見積もりを取っていたり、火災保険を調べる時間がないって思って居る人は、知らない間に高い火災保険で契約させられるってことも・・
なぜなら火災保険の金額を決める6つの要素の内、3つは各保険会社システムの強み・弱みによって、保険料が大きく変わるのですが、不動産会社などの見積もりではそこまで深く関与して見積もりを取ることはないからです。
あなたの物件のエリア・物件の特徴を生かした割引を使用すれば、同じ保証でも総額が10万円変わる事も珍しくありません。
火災保険を10万円安くするカラクリを知りたい方はコチラ>>