土地区画整理事業によって新たな道路が整備され、1つ1つの土地が区画整理されることで、綺麗な街並みが開発されます。
区画整理行う流れは事業開始前に住んでいた土地(従前地)から、区画整理予定地である(仮換地)に土地の使用収益が移ります。簡単に言うと住む場所が変わる。(土地の所有権は従前地のままです)
区画整理事業によって売却される土地の事を保留地と言います。
保留地は通常の区画整理の土地・従前地・仮換地と違って登記の方法がもっとも特殊です。
保留地の登記費用を払うタイミングはいつになるのでしょうか?
今回は保留地の登記の方法と、所有権移転の登録免許税の計算方法についてご紹介させていただきます。
保留地の売主は、区画整理事務所・市役所関係になります。
その為、売買に仲介手数料がかからず、更には入札により安く購入ができる可能性が高い穴場な土地です。
Contents
保留地には登記ができない?
結論から言うと、保留地は登記できません。
登記できないということは、所有権移転登記はもちろんの事、住宅ローンの担保権である抵当権も登記できません。
所有権移転登記ができないとなると、公的な書類で自分が所有者であることが証明ができないと思われる方もいるでしょう。登記に関してはその通りです。
登記ができるタイミングは区画整理事務所が終わる換地処分がなされた翌日に登記ができるようになります。
よって登記のできる換地処分が下りるまでに間に保留地の売買を行う場合、購入する保留地を管轄している土地区画整理事業に保留地証明書を発行してもらい、証明書によって所有権を証明することになります。
住宅ローンの抵当権については、銀行と保証会社が保留地を管轄している土地区画整理事業と抵当権に代わる協定を結べれば、抵当権の登記がなくても、住宅ローンを貸し出しすることは可能です。
これにより、購入時の登記費用は、建物の所有権保存登記のみで、土地の所有権移転登記の費用は0円になるので、購入時の登記費用がかなり安くなります。
登記費用はいつ払う?保留地の所有権移転と登記の流れ
購入時に土地の所有権移転登記の費用は払いませんが、保留地だからと言って登記費用が0になったわけではありません。
保留地が登記ができるようになるのは、区画整理事業の終わりに当たる換地処分がなされたときになるので、登記費用の後払いという形になります。換地処分が購入時の10年後であれば、十年後に登記する際の登記費用が必要になります。
保留地の登記する流れ
①換地処分がされる。
②区画整理事業が職権にて新たな土地の表題部(面積・所在地・地番)などを登記する(表示登記)
③権利部に当たる甲区に所有権保存or移転登記を司法書士に依頼して行う。(住宅ローンが残っていれば乙区に抵当権も入れる)
※保存登記とは登記簿に最初に入れる登記の事。
数十年後に住宅ローンが完済されていれば、所有権保存or移転登記のみの費用で済みますが、住宅ローンの返済が終わっていなければ所有権の登記以外に抵当権設定費用も掛かります。
保留地の所有権移転の登録免許税はいくら?
保留地を購入する前に、ある程度概算にはなりますが所有権移転の登録免許税にいくらかかるかを計算することができます。
所有権移転の登録免許税の計算式は、土地の固定資産税評価額×20/1000です。(平成33年までは15/1000)
登録免許税にも減税措置があり、住居用の土地として購入すると、登録免許税が20/1000→3/1000と約1/7まで軽減されます。
土地の固定資産税評価額を算出する方法は、路線価を利用します。
土地価格には1物4価という考え方があり、実勢価格(市場価格)・相続路線価・公示価格・固定資産税評価額の4つです。
実勢価格が100%に対して路線価が80%、固定資産税評価額は70%と言われております。これを利用します。
購入する保留地の前面道路が1㎡あたり10万円の道路とし、その道路に100㎡接している保留地だったらその土地の価格は単純計算して路線価で1,000万円です。
この金額を割り戻しすれば、実勢価格や固定資産税評価額の金額を概算で算出できますよね。
実勢価格は路線価の1.25倍(100÷80)なので、1,250万円、固定資産税評価額の場合は0.875倍(70÷80)をすると875万と固定資産税評価額を算出することができます。
登録免許税は固定資産税評価額×3/1000なので、875万円×0.3%=26,250円(概算)で算出することが可能です。
26,250円+司法書士の報酬額が換地後に必要になることがわかります。自分で登記するのであれば、司法書士の報酬は0円です。
まとめ:保留地は登記時の減税措置が無い可能性がある。
ココがポイント
☑保留地は換地処分が終わるまでは登記は一切できない。保留地の所有権を証明するには保留地を管轄している土地区画整理事業に保留地証明を取得することになる。
☑保留地の登記費用の支払時期は換地処分が終わった後になる。0円になるわけではない。土地区画整理事業が土地の表題登記を申請後、保留地の所有権保存or移転登記を行う。住宅ローンが終わっていなければ抵当権設定登記も合わせて行う。
☑所有権移転の登録免許税の計算方法は、土地の固定資産税評価額×3/1000で計算!ただし3/1000が使えるのは平成31年3月までの為、換地処分が終わったときは3/1000が使えず、通常通りの20/1000つまりは7倍になる可能性が高い。
所有権移転の登録免許税の減税措置は平成31年3月31日までとなります。
換地処分後に必要書類をもって登記を行おうとしても、減税措置の制度が終わっていれば、3/1000ではなく20/1000で登記すると26,250円→175,000円になる可能性もあるので、登記費用を高めに見ておくのが無難でしょう。
保留地の物件は住宅ローンが使えない銀行もありますが、保留地証明書を取得すれば住宅ローン控除は使えますので、土地が見つからないと思っている注文住宅建築予定者は保留地を検討の1つに入れるのをおすすめします。
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