住宅展示場やオープンハウスなどで物件を検討するときに、床暖房が付いている物件だと、ほぼ確実に担当営業マンがアピールポイントとして紹介しますが、きっと皆さん営業マンから床暖房のメリットについてはお話されましたか?
現に私も不動産屋時代・住宅営業マン時代、床暖房がある仲介物件を見せた時は必ずと言っていいほど床暖房をアピールポイントにしてました。(ラグと一緒に使えばかなりメリットがある旨)
しかし・・・
逆に不動産屋営業マンから床暖房のデメリットって聞いたことがありますか?おそらくないと思います。
私も床暖房のデメリットを話したこともないし、聞かれたこともないからです。
ただどんなものにもデメリットが存在します。私が思う床暖房のデメリットは7つもあります。
今回は床暖房のデメリットを中心にご紹介させていただきます。
新築のオプション工事で床暖房ってどれだけ人気なの?
床暖房は人気オプション工事で第2位!SUUMOでも第3位に入る超人気オプション工事
床暖房は住宅購入時に設置するか迷われるほど人気オプションです。SUUMOでは人気設備ランキングベスト3位に入るほどの設備で、部屋を乾燥させずに温めることができる設備として特に女性から人気がある商品です。
私も個人的にクラウドワークスにて人気設備ランキングを調査したところ、床暖房は網戸・カーテンレールに続き第2位でした。(30人アンケート結果複数回答可 30人中14人)
約半分の人が床暖房を設置したということが私がとったアンケート結果からもわかります。
電気式・ガス式までかはわかりませんが、寒い冬の時期にコスパが高い設備であることは間違えありません。
新築戸建てのオプションのおすすめは?アンケート結果のランキングTOP10
設置して後悔している人続出?失敗したオプション工事上位に床暖房が入っている?
床暖房は人気設備ランキング上位だったのですが、設置して後悔した設備ランキング(30人中1回答)ではなんと、堂々の3位でした。
30人中19%約6人の人が床暖房を設置して後悔したという回答でした。これには驚きを隠せません。
14人中6人ですから約4割の人が床暖房いらなかったという回答になります。
その多くの回答が・・・・
「暖まるのが遅い」「電気代が高い」の2つでしたね。といっても6人だけなので、もう少し人数が増えればどうなっていたかはわかりません。(お金の都合でアンケート人数が増やせなかったです。ごめんなさい)
床暖房っていう便利な設備をつけているのにも関わらず、設置する必要がなかったと後悔している人が多いのが、不動産屋が設置するデメリットを説明していないという事実があるからです。
次からは不動産屋が教えてくれない床暖房のデメリットについてご紹介させていただきます。
不動産屋が教えてくれない床暖房のデメリット7選
ココがダメ
☑設置費用が高い
☑冬場の電気代が高い
☑ガス式(温水式)は不凍液のメンテナンス費用が高い
☑故障した場合の補修費が高い。
☑施工費40万以上使って使われない設備は床暖房だけ
☑気温差で床下結露発生!結果カビがはえる。
☑赤ちゃんにとっては危険?低温やけど要注意
1つずつ解説していきます。
設置費用が高い
床暖房は数年前に比べて、商品自体の値段が下がってきてはいるものの、6帖×2回路で30万~40万円・ガス式の場合は8帖用で50万円もします。
この金額は建築時に設置する最安値の費用であり、建物が完成している建売住宅に床暖房を後付けするとなると、ここにプラスして床材代が加算されます。
新築戸建ての床暖房の費用はいくら?電気・ガスどっちがコスパが良いか比較した結果
冬場の電気代が高い
冬の床暖房の電気代はかなり馬鹿になりません。床暖房のランニングコストが安いといわれているガス式でさえ月3,700円はかかります。
●燃料費 (都市ガスの場合)
60.0(W/m2)×8(畳)×1.65(m2/畳)×8(h/日)×30(日/月)×12.5(円/kWh)/ 0.8×(1-0.20)×1000=3,713(円/月)出典:大東ガス
ちなみに電気だと、毎日8時間つけたままにしておくと、月々約4,700円程度の電気代がかかります。シーズンで8時間以上床暖房をつけているお宅の場合は電気代が月5,000円以上跳ね上がることも珍しくありません。
エアコンをつけたほうが安いです。
ちなみに一条工務店の全室床暖房システムは月3,000円とカタログに記載されており、かなり安めになっております。それでも3,000円はかかってしまいますが・・・
ガス式(温水式)は不凍液のメンテナンス費用が高い(説明がない場合がある)
ガス式(温水式)は電気式に比べてランニングコストが安く、早く温まりやすいというメリットがありますが、温水式には必要不可欠な不凍液交換が必須になります。
不凍液とは、床暖房の温水の原液であり、不凍液を利用することで冬などの寒い時期に床暖房の温水の水が凍らず、故障を防ぎます。多くの温水式の水は不凍液を利用しております。
不凍液が劣化すると、不凍液内に含まれている添加物がヒートポンプの配管を腐食させ、最悪の場合、配管に穴が開き構造躯体に漏水するってことになります。
不凍液の交換機感は、給湯器ドットコムによると約3年ごとに全量交換を推奨されております。
不凍液の相場はモノタロウで調べてみると1万~3万円くらいかかります。
電気式・温水でも通常の水を使うタイプのガス式であれば、メンテナンス費は不要です。
故障した場合の補修費が高い。
電気式・ガス式も床下の為、ほかの設備と違って床材をはがしてからの補修になる為、メンテナンス費にお金がかかります。
(床材剥がし+補修費(商品取り換え)+床設置+諸経費)
完全に壊れていた場合、上記の設置費と同様の金額が請求される可能性があります。
ほかの商品であればわざわざ床を剥がす必要がないので補修費が安くなりますが、床暖房はそうはいかないのです。
温水式は漏水していたら最悪で、構造躯体が劣化・腐食している可能性があります。
この場合は構造躯体の補修費も必要になりますので要注意です。(シロアリが沸く原因・防蟻処理が必要)
施工費40万以上使って使われない設備は床暖房だけ。購入時ですでに使われない現実。
スマイルラボにて冬の設備アンケートを取ったところ、床暖房を築2年で既に2割の人が床暖房を全く利用していないことがわかりました。
これって結構すごい数字じゃないですか?
40万~50万近くお金を使っているのに、使っていない人が2割いる設備って床暖房ぐらいですよ。
(カップボード・フロアコーティングは使われる。)
俺だったらもったいなくて毎日使いますね。
更に築10年を過ぎると、床暖房の保証期間も関係してだか、2割からいきなり3割弱と上昇します。
漏水リスクを気にしているのか、不凍液の費用がもったいないからなのかどっちを気にしているかはわかりませんが、どちらにしても床暖房を設置して後悔した人が14人中6人というのも納得できる理由ですね。
気温差で床下結露発生!結果カビがはえる。必ず床暖房専用の床材を!
床暖房を設置する際に要注意事項が、床暖房設置予定の床材と、通常の床材は違うということです。
必ず床暖房専用の床材するようにしましょう。
理由は2つあり、1つ目は床材自体が床暖房の熱に耐えられず床材が傷んでしまうということが挙げられます。
多くの建売住宅では床暖房が付いていない住宅もありますので、床を剥がしてつける際には要注意です。(この方法はおすすめしません)
もう1つは床下の結露にあります。断熱仕様の床材を利用するようにしましょう。外気温の差が激しいと、床下内で結露を起こし床下のカビ・最悪は床下の腐食に繋がります。
赤ちゃんにとっては危険?低温やけど要注意
低温やけどとは、肌の一か所に長時間自分の体温以上の物(カイロ・床暖房・湯たんぽ)を当て続けていると起こる現象です。
多くの住宅の場合はLDKだけに床暖房をつけ、LDKを早く温めたいゆえに自分の体温以上の設定にしてしまう事も・・
その為、床暖房をつけたまま、赤ちゃんを寝かしていると知らない間に低温やけどを起こす危険性があります。
赤ちゃんは大人と違い、床から距離が近く、大人が感じている体感温度よりもさらに更に高い温度で床暖房に接していることになります。
知らない間に脱水症状を起こすことだって・・
もし赤ちゃんを床暖房のついているLDKで寝かせるとしたら、薄い毛布の上で寝かせるのではなく、最低でも3センチ以上の厚みのあるラグを用意してその上で寝かせるようにしましょう。(ちなみにラグと床暖房は掃除する関係上、相性は抜群に良いです。)
まとめ
ココがポイント
☑床暖房は人気設備ランキング第3位と非常に人気のある設備だが、同時につけて後悔するランキングも高い。
☑不動産屋が教えてくれないデメリット7選は「設置費が高い」「電気代が高い」「メンテナンスが大変」「補修費が高い」「築2年で2割は使われていない設備」「結露によるカビリスク」「赤ちゃんの低温やけどリスク」
☑不動産屋はわざわざデメリットを詳しくは教えてくれない。その為40万円以上する設備なのに築2年で2割も使われていない現実がある。特にガス式の床暖房を選ぶ場合は、不凍液や故障リスクなどを踏まえて導入を考えるべき。
床暖房のメリットは、空気を乾燥させずに部屋を暖められる・ヒートショックを防げる(一条工務店の全室床暖房)・ラグなどについてるダニを熱で浮かせて掃除機で掃除しやすいなどが挙げられますが、同時にデメリットになる部分もあります。
床暖房のオプション費用は決して安くはありません。
本当に必要かをデメリットを踏まえてからつけたほうがよさそうです。(特にメンテナンス費がかかるガス式は)
それでも取り付けしたいって方は床暖房はあとから設置できる?建築後のリフォーム費用と2つの注意点をご覧ください。
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