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なぜ地震保険が役に立たないと言われる?加入者も知らない2つの理由

投稿日:2018年9月19日 更新日:

先日発生した北海道地震や、東日本大震災の影響からか、今や新築戸建てやマンションを購入する人のほぼすべての人が地震保険に加入していると思います。

その影響もあってか、昔は地震保険加入率が30%にも満たなかったのが、2016年以降では約6割は地震保険に加入するという結果がSBIリスタの調べからわかりました。

思ったより少ないな・・っていう印象ですが、地震大国日本なのに、地震保険の加入率がなぜ9割を超えるような数値にならないのはなぜでしょうか?

 

それは一部の人の中では地震保険=役に立たないと言われているからです。

 

なぜ地震保険が役に立たないと言われている理由をご存知でしょうか?

これからご紹介する2つの事は地震保険の加入者の多くの人が知らない残念な事実です。

保険屋さんの多くが説明していないんでしょうね。

地震保険=必ず入るべきって形でどんどん加入者が増えている印象です。

今回は地震保険が役に立たないといわれている2つの理由について解説させていただきます。

 

地震保険加入者が知らない2つの真実

地震保険は再建築価格ではなく、時価による支払いのため、貰える保険金が少ない(中古住宅と地震保険は相性最悪!)

 

地震保険は日本地震再保険会社という国が管轄している保険会社が地震保険金を支払うことになっております。

ご存知の方も多いと思いますが、地震保険は火災保険の最大50%までしか加入できません。(最大5,000万まで)つまり火災保険で1,500万の保険に入れば、地震保険では750万円までです。

ここまでは殆どの方が知っておりますが、次です。

 

火災保険は再建築価格(新価)として評価するのに対して、地震保険は時価(損害が起きたときの建物の評価)で保険金の額が決まってしまうという事実です。

地震保険が時価の説明をしている保険屋さんっていました?少なくとも私がお勧めした保険屋の営業マンは説明してませんでしたよ(笑)

時価だとどれだけ保険金がもらえないかを具体的な例で説明します。

仮に建物評価額(再建築価格)2,000万だとすると、地震保険では1,000万円です。

地震保険には4つの段階がありますが、今回は全損として考えます。

築12年時(木造住宅の経年減額補正率の減価償却により建物価格が半減)に地震により倒壊した場合、新価で計算してくれる火災保険であれば、最大2,000万円まで保険金がおりますが、時価で計算する地震保険では1,000万の半分である最大500万までしかおりません。

時価で判断されると、こんなに保険金がもらえなくなるってご存知でした?

500万しかおりないので、実際には月々のローンの支払いと生活を立て直すための一時金でしかすぎません。

保険金で家を立て直すはおろか、ローンの完済すらできないわけです。

 

中古住宅を購入する人っていうのは、時価で判断されてしまう地震保険とは相性が悪く、中古住宅では地震保険に加入しない人が多いです。

また築22年を経過した建物であれば、建物の価値は2割しか残りませんから、わざわざ高い保険金を払ってまで加入する必要もないわけです。

地震保険で何とかなると思っている人がいたら、ここで認識を改めてもらえればと思います。

ココに注意

実際に地震保険の建物評価額は保険会社・国による計算法で算出されるため、木造経年劣化による補正率とは若干異なります。

しかし、建物の評価額が減っていくイメージとしてはほとんど変わらないでしょう。

基本古くなれば、古いほど地震保険で貰える保険金も減っていくわけです。

大震災が起きた時の1人当たりの保険金の平均が200万もいかない!?保険会社の調査員次第で保険金がコントロールされる

日本地震再保険会社による地震保険の支払いデータをみると、1人当たりの払われている保険金の金額が少なすぎてビビりました。

正直上記の例の500万はかなり良い数字です。

ここでは東日本大震災と阪神淡路大震災、熊本地震を例に上げてみたいと思います。

東日本大震災の地震保険支払い総額・平均

地震保険金総支払額 1,279,517(百万円)1.3兆

支払い件数:812,371人

平均 1,575,040円

熊本地震の地震保険支払い総額・平均

地震保険金総支払額:382,360(百万円)

支払い件数:206,278人

平均 1,853,615円

阪神淡路大震災の地震保険支払い総額・平均

地震保険金総支払額:78,346(百万円)OK

支払い件数:65,427人

平均 1,197,456円

MAXで熊本地震の約185万円が1人当たりの地震保険の支払金額です。

これはおそらく東日本大震災の影響で地震保険に加入した人が増えた・保証を厚くしたなどの理由が当て、東日本大震災の時に比べて平均30万円もアップしていると予想します。

東日本大震災も本来であれば、1人当たりの金額がもっと少ないはずでした。

ただこれには理由があり、航空写真や衛星写真を使って、津波などで壊滅的な被害を受けた街区にある契約をすべて全損と認定するといった例外的措置を損保業界が行ったからです。

全損になったことで、払われる保険料の底上げになりました。もしこれが一部破損・半壊などで決められれば、平均値はもっと下がっていたと思われます。

 

東日本大震災は緊急時だったので、良い例になりましたが、もしこれで保険会社が逆に半壊・一部破損の扱いでしか保険金が下りなかった場合・・・保険金の100%ではなく50%・30%と少なくなってしまいます。

1000万円の地震保険に加入すれば、1,000万近くまで保証されると思っている人がいましたら、残念ながら地震保険で下りる保険金は200万円程度が現実的だと知ってもらえればと思います。

ココに注意

地震保険は時価で判断の為、新築1年目に全損すれば、火災保険の保証額の半分まで最大貰うことができます。

1,000万円の地震保険であれば1,000万まで保証されます。

 

それでも地震保険に加入したほうが良い3つの理由

地震による火災では火災保険が適用できない

大震災で地震被害よりも2次被害の火災による被害・死亡が圧倒的に多いってご存知でしょうか?

もしご存知でない人は事業構想のこちらの記事が役に立ちます。

地震で倒壊しなくても、地震時に利用していた火元が原因で火事になってしまった場合、地震が原因による火事については、火災保険では対象外なので注意が必要です。

火災保険では地震による火災は補償されないのですか?

地震保険に加入されていないと、火災保険だけでは地震・噴火またはこれらによる津波(以下「地震等」といいます。)を直接または間接の原因とする損害は補償されません火災保険では、地震火災費用保険金(*1)として火災保険金額(*2)の5%をお支払いしますが、地震等による損害を補償するためには、ご契約の火災保険に地震保険を付帯して、ご加入いただく必要があります。

出典:損保ジャパン日本興亜

損保ジャパン優しいな。5%払ってくれるのかということは置いておき、

地震による火事の被害が一番多いのに、火災保険では対応できないというのに問題があります。

 

仮に自分の家が燃えなくても、隣の家の出火が原因で燃えてしまった場合、民法上では隣の家には責任はありません。

実費で負担する必要があるのです。

 

これらのリスクを無視するのは怖すぎます。

それでも地震保険に入らないっていう人は、この構造の家を購入するのがお勧めです。

家を買うのに知らないのは恥ずかしい?ツーバイフォー工法のメリット5選

 

地震保険は5日以内に保険金がもらえる。生活を立て直す一時金として使用できる

 

地震保険のすごさは、なんといっても損害が起きた後に保険金が下りるまでの速さです。

東日本大震災ほどの大災害にも関わらず、保険金が下りた平均実績が4.8日というデータがあるから驚きです。

保険金請求書類が弊社に到着してから、お客様の指定口座に保険金をお支払いするまでの期間は、約款で30日以内と規定しており、万が一30日を超える場合は、保険金に利息を付けてお支払いします。なお、東日本大震災の際の実績は、平均4.8日でした。

出典:SBIリスタ

地震が起きて家が倒壊しても、残念ながら家のローンの支払いが残っております。

ローンの支払いが滞ってしまうと土地も没収されてしまいますから、ローンの支払いをしておきたいもの、地震保険があれば月々のローンの支払いを賄うことができます。

お金に困る災害時だからこそ、迅速にもらえる地震保険金は助かりますよね。少なくとも当面の生活のキャッシュフローは安定します。

毎年2万程度払う必要がありますが、必要な時に一括引き出ししたようなもの。

もしこの地震保険が下りるのが1年後とかだったら正直使えないと思いますよ。一時的にローンが払えなくなったら、後でお金は払えても没収されてしまいますから・・・

 

地震保険を補う民間の少額保険に加入することで、地震保険で家を建て替えするのも夢ではない。

 

地震保険は地震に関しての保証範囲は広いものの、火災保険の50%までしか加入できない上、時価で評価されてしまうことから、保険金の少なさにデメリットを感じているでしょう。

それであれば、残りの50%分を民間の保険で補うという方法があります。

損保ジャパンや東京日動などは、地震に関して起こる火災などの商品では100%まで保証するサービスもありますが、液状化などによる災害は対象外です。

もし保証範囲の広さをカバーしたいのであれば、地震補償保険リスタによる短期保険がお勧めです。

この保険は、地震保険と併用ができるうえ、保険金の計算方法が時価ではないってことです。

よって保険金が1,000万円以上もらえることも決して不可能な話ではなく、ローコスト住宅であれば家を建て替えすることもできます。(アーネストワンの990万の家とかね)

私も見積をやってみたところ・・・・

 

700万円の補償を受けるのに年3万と通常の地震保険よりは高いのですが、時価で評価しているわけではないので、補償額も地震保険より多くもらえるもがメリットですね。

地震保険の300万円以上もらえれば、700万円のリスタに加入していれば1,000万になるので、少し自己資金を足せば、理論上ではアーネストワンの家なら建て替え(自由設計)できるわけです。

地震保険だけでは心配って人にはお勧めな保険です。

 

まとめ

ココがポイント

☑地震保険が役に立たないといわれる理由は2つ「保険金が時価で評価」「大震災の地震保険金の平均額が200万円にも満たない」から。中古住宅では非常に相性の悪い保険。

☑地震保険が役に立たないと思っても入ったほうが良いのは、地震が原因で起こる火災については火災保険では下りず、地震保険でしか保険金が下りないから。

☑地震保険だけでは、生活費程度しか賄えないが、少額保険のリスタと合わせて併用すれば保険金が1,000万円行く可能性も十分あり、ローコスト住宅なら家を建て替えすることができる。

地震保険で下りる保険金の現実をお伝えしたかったのですが、いかがだったでしょうか?

私も不動産営業マン時代は1,000万円の地震保険に入れば500万は最低でも貰えるだろうという、地震保険の現実を知らなかった自分がいました。

地震保険は時価で判断されてしまいますから、地震保険と相性が悪い中古住宅がこれから流行りますから、地震保険の加入率は今しばらく伸びそうにないでしょうね。

同じ保証額で総額10万安くする火災保険のカラクリとは?

 

火災保険は保険金・プランがすべて同じなら保険料がどこも一緒だと思って居ませんか?

もし同じだと思って居るのであれば、あなたの保険料は更に安くなる可能性が非常に高いです。

火災保険の仕組み上、同じ保険会社で同じ保証料・同じプランで申込をしても、申込する物件のエリアで保険料が変わるってご存じでしたでしょうか?

もし不動産会社経由で見積もりを取っていたり、火災保険を調べる時間がないって思って居る人は、知らない間に高い火災保険で契約させられるってことも・・

なぜなら火災保険の金額を決める6つの要素の内、3つは各保険会社システムの強み・弱みによって、保険料が大きく変わるのですが、不動産会社などの見積もりではそこまで深く関与して見積もりを取ることはないからです。

あなたの物件のエリア・物件の特徴を生かした割引を使用すれば、同じ保証でも総額が10万円変わる事も珍しくありません。

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